復活の可能性

 では今後、コナカ主導のもとで復活の可能性はあるのか。

「スーツ離れが進むなか、アパレル業界では働く女性向け商品の領域で顧客の争奪戦が激しくなっています。大手紳士服チェーンのなかでは青山とAOKIがレディース部門に注力しており、コナカと『はるやま』が遅れています。コナカとしてはサマンサタバサをレディース分野の強化に向けた突破口にしたいと考えているのではないでしょうか。

 サマンサタバサ再建の方策は大きく2つ考えられます。一つは“新しいエビちゃん路線”の確立です。約20年前にエビちゃん世代だった人々は今は40代となり、働くママも多く、蛯原さんも今は40代になり二児の子どもを育てるママとしてファッション誌『STORY』(光文社)のモデルに起用され活躍しています。そんな成長していく蛯原さんを起用して新たなラインを立ち上げるなどして、かつての“エビちゃんファン”をもう1度巻き込んでいくというアプローチが考えられます。

 もう一つの方策は、かつてのサマンサタバサブームの時代のファッションから脱却して、ゼロからマーケティングをやり直して働く若い女性にアプローチするというものです。今ではファッション誌に変わってSNSが購買を大きく左右しており、たとえばInstagram上でのリコメンドなどを参考にしながら商品を選ぶという行動が主流になっています。そうした消費者行動に沿った戦略を練るべきでしょう」(磯部氏)

 岐路に立つサマンサタバサだが、実は時代は追い風になりつつあるという。

「ここ数年のレディースのファッショントレンドは“フェミニンブーム”で、フリルやリボン、装飾などがついた商品がよく売れており、2000年代と雰囲気が似ています。たとえばネット販売が中心の『D.KELLY』というバッグのブランドは、安価でキレイめなデザインが特徴ですが、なんとなく“サマンサタバサっぽい”テイストの商品がリーズナブルな価格で揃っています。こうしたトレンドはサマンサタバサにとっては追い風でしょうから、改めて若い女性向けにアプローチしていくための戦略を練るとよいかもしれません」(磯部氏)

(文=Business Journal編集部、協力=磯部孝/ファッションビジネス・コンサルタント)

提供元・Business Journal

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