なんでも手軽になった今の時代。スピーカーも随分とコンパクトになりましたが、少年時代にミニコンポに憧れた世代からすれば、少々物足りなさも。聴くだけでなく、見て楽しむ音楽もあるはず。スウェーデン発の「トランスペアレント」には、そんなスピーカーが揃います。聴覚と視覚を満たすことで、よりリッチなライフスタイルを盛り上げてるのです。
音楽は聴くだけじゃく、見ても楽しむべき
トランスペアレントとは透明という意味。同ブランドが作るスピーカーを見れば一目瞭然です。アルミフレームと強化ガラスで構成される「トランスペアレント」のスピーカーは、2014年にスウェーデンのストックホルムで誕生しました。
優れた技術を、オブジェのように表現する。インテリアとの調和を主としたコンセプトは、まさに北欧スウェーデンらしい発想ですよね。インダストリアルなアルミフレームと、ユニットが丸見えというユニークなデザインについて、先日来日したファウンダーの一人、マグナス・ウィバーグさんはこう語ります。
「開発には10年掛けました。トランスペアレントが目指したデザインは、エンジニアリングとインテリアの融合。堅いアルミフレームと強化ガラスという組み合わせは、大いに視覚を刺激しつつ、またインテリアに馴染みやすく、そしてその重量によって良い音を響かせてくれます」
ウィバーグさんによれば、技術の進化によってスピーカーは小型化、または隠れされた存在になってしまったとのこと。トランスペアレントは、スピーカーを単に音を鳴らすだけの道具ではなく、視覚でも楽しませる存在であることを目指したというわけです。強化ガラスの選択は、さらにインテリアとの調和を図ります。
「オブジェを飾るときのことを考えてください。インテリアに馴染まないオブジェは置かないでしょう。強化ガラスは優れた音を鳴らすための選択であり、それでいてどんなインテリアにも馴染みます。北欧家具にはもちろん、日本の和室にも溶け込んでくれるはずです」
交換可能なモジュールでサスティナブルを可能に
透明な強化ガラスを通して丸見えになったスピーカーモジュール。実はこのデザインには、さらに狙いがあります。それは、業界で初めてサスティナブルをテーマにしているのです。
「昨今はバージョンが変わる度に、使い捨てされるスピーカーが目立ちます。メーカーによる各パーツのストックも、平均して2年ほどしかありません。しかし「トランスペアレント」のスピーカーは、すべてのモジュールを交換することが可能です。そのため、モジュールがアップデートされても、交換することで使い続けられるのです。ちなみにボディは150年保つ設計になっています」