ファジアーノ岡山:リーグトップの守備力を有する

今2024シーズンのJ2で最高のスタートを切ったのは岡山だった。第1節で栃木SCに3-0の快勝を収めると、第2節の引き分けを挟んで第3節から第6節まで4連勝し、首位に立っていた。

その最大の要因は守備の固さにある。開幕から6試合でわずか2失点ととにかく失点が少なく、この間には1-0での勝利が3試合を数えた。チーム全体の守備意識が高く、そこを突破したとしても最後の壁としてGKスベンド・ブローダーセンが立ちはだかる。

また、新外国籍選手のFWグレイソンが早々にチームにフィットしたことも大きい。昨季Kリーグ2(韓国2部)で13得点を挙げリーグ得点王に輝いたストライカーであり、186cmの大柄ながらとにかく器用な選手だ。岡山が志向する【3-4-2-1】の1トップに適役で、自ら決める力もありながら味方を使う意思も強い。開幕からの6試合で2得点3アシストを記録し、2・3月度の明治安田JリーグKONAMI月間MVPを受賞したほど、グレイソンの存在なく岡山のロケットスタートはなかった。

第7節以降の5試合は1勝3分1敗で、ややブレーキがかかり3位に順位を落としているが、直近の第11節熊本戦は2-0で勝利した岡山。創造性溢れるプレーが特長のFWガブリエル・シャビエルが出場時間を伸ばしつつあることもポジティブな要素で、清水と長崎に食らいついている。再び勢いを取り戻せれば、首位に返り咲いても不思議ではない。

そんななか、次節(J2第12節)は、清水と岡山の上位対決が実現する(4月28日)。シーズン序盤戦の重要な「6ポイントゲーム」(相手の3ポイントを奪い3ポイントを獲得することで、6ポイントの心理的影響を与える直接対決)であり、勝ち点3を積み重ねるのはどちらだろうか。