大岩剛監督 写真:Getty Images

 U23日本代表は今月22日に行われるAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選グループステージ最終節で、U23韓国代表に0-1と敗北。GK小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)に替えてGK野澤大志ブランドン(FC東京)をスタメン起用した大岩剛監督の采配、韓国代表選手によるラフプレーが批判の対象となっているが、敗因のひとつとして“日韓戦”に対する指揮官のメンタリティーがあるかもしれない。

 大岩監督は野澤やFW内野航太郎(筑波大学)らを先発起用するなど、UAE戦からスタメンを7人入れ替え。日本はボール支配率62%と終始韓国を押し込んでいたが、75分にコーナーキックの場面から決勝ゴールを献上。野澤の飛び出しから失点しただけに、ネット上では「野澤の判断ミスだ」「大岩監督はなぜ小久保をスタメン起用しなかったのか」といった批判が相次いでいる。

 一方、韓国はラフプレーを連発する中、ファウル数は「15」と日本のおよそ2倍に。ただ、イエローカードは後半9分にMF川﨑颯太(京都サンガ)へ足裏タックルを仕掛けたMFキム・ドンジンに対する1枚のみ。フィジカル勝負重視の激しい試合展開となった。

 日韓戦については、北京五輪の日本代表メンバーである大久保氏嘉人氏が持論を展開。今月22日配信開始の「やべっちスタジアム」出演時に、MCの矢部浩之さんから「日韓戦になると、我々ファンとしては特別な思いで見てしまう。『絶対に負けたくないな』と。実際に戦っている選手はどうですか」と訊かれると、自身の思い描く韓国攻略法を語っていた。

 「意外だけど、日本側からすると、そういう気持ちは全くない。本当に意識していない。他の国と戦うのと同じ。韓国が一方的に日本に対して感情をかなり持っている。だから韓国のペースになると、どうしても試合が荒れる。普通に削って来るので、韓国は。日本は淡々とプレーすれば、韓国がイライラしてきて、日本のペースで試合が進むと思う」

 大久保氏の「韓国のペースになると、どうしても試合が荒れる」という見解を踏まえると、今回の日韓戦ではフィジカル勝負の激しい試合展開となっただけに、韓国の思惑通りと言わざるを得ない。

 また、韓国メディア『フォーフォーツー』は大岩監督による試合後会見の様子をリポート。これによると、日本代表指揮官は「日韓戦はつねに特別な試合であると分かっているが、プレッシャーはなかった。いつもと変わらず予定通りに良い準備ができたが、残念ながら結果は出なかった」と語ったという。

 ただ、大岩監督の「日韓戦はつねに特別な試合」というコメントは、大久保氏の「(日韓戦の特別さを)本当に意識していない」という私見と異なっている。それだけに、韓国戦へ臨む際のメンタリティーに問題があったと考えることも可能だ。

 準々決勝で開催国のカタールと対戦することが決まった日本代表。カタールが数年前から育成年代の強化に力を入れているだけに、韓国戦黒星のショックは大きい。