自らと3人の子がADHDと診断された当事者が起業・開発
アプリの開発を手掛けた同名企業「Pery」(Periaptから改称)は2022年に設立された。共同設立者はCEOのZiv Elul氏、3人の子を持つ母であるCOOのGili Avital-Lang氏、デジタルヘルスのベテランとしてCTOを務めるMeir Amsellem氏の3人。

Image Credits:Pery
ウェブサイトのブログコーナーやFacebookでは「タスクの切り替えが困難なのはなぜ」や、「大事なタスクを忘れないための記憶ハック」といった記事を掲載。ADHDを持つ子どもの養育に役立つ記事を投稿し、情報を共有している。

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子どもの潜在能力とADHDのポジティブな側面にも注目
同社公式サイトによると、 「Pery (פארי)」はヘブライ語で「私の宝物」、「私の誇り」、「健康」といった意味があるという。「ADHDとの向き合い方を変革する」という同社のミッションが果たされれば、宝物である子どもが心身ともに健康にのびのびと活躍し、親にとっても誇りとなり得るだろう。
忘れ物が多かったり、落ち着かず動き回るなどの多動が見られたりするADHDだが、過集中や行動力、リスクを恐れない姿勢や楽観性・創造性などの特性は長所として活かすこともできるのだ。実際、同社CEOのElul氏が成功した連続起業家(同氏は2021年にアドテック企業Fyberを6億ドルで売却)であるように、ADHDを持つスタートアップ設立者が社会で活躍している。
Peryが成功すれば、それ自体がADHDのポジティブな側面の証明になるはずだ。今後B2Bビジネスの展開を予定しているという報道がある同社だが、アメリカとイスラエル以外の英語圏でのサービス拡大や多言語展開なども見込まれる。
引用元:Pery
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Mickey Ohtsuki
危険と言われる南ア・ヨハネスブルグを拠点にアフリカ南部を飛び回って帰国後、199x年代から産業翻訳のフリーランスを始め、2000年からテクニカルライター/Webライター業も開始。世界各地のスタートアップには、ちっぽけな探求者たちが巨大な既存勢力と戦うロマンがある。『なんでも評点』筆者。
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