古長谷千博(ロアッソ熊本)

2022シーズンは4位と躍進するも、その冬に多くの主力選手を失ったロアッソ熊本。その影響もあってか昨2023シーズンは14位と昇格から遠ざかり、さらにこの冬もMF平川怜、MF島村拓弥といった主力がチームを去ってしまっている。そんな熊本にとって、大卒ルーキーMF古長谷千博は希望の光と呼べる存在だろう。

開幕スタメンに抜擢されると、第3節の愛媛FC戦ではプロ初ゴールを含む2ゴールをマーク(3-2)。鋭いドリブルを武器に突破力やサイドで攻撃の起点としての活躍を見せ、エリア内での冷静さも実に頼もしい。残念ながら第5節のベガルタ仙台戦で怪我を負ってしまった古長谷。直近は2試合連続で打ち合いを制すことができなかったことも踏まえ、攻撃にアクセントをつけられる存在として1日も早い帰還が望まれている。チームが今季初勝利を挙げる原動力となったルーキーが、怪我明けどんなプレーで魅了してくれるのか楽しみだ。

Jリーグ旗 写真:Getty Images

近藤慶一(いわきFC)

昨2023シーズンはクラブにとって記念すべきJ2初年度となったいわきFC。そんな躍進を支えたDF家泉怜依やFW有田稜といった主力が冬にチームを離れたが、成長を大いに期待できる若手を多数獲得しJ2で2年目となるシーズンのスタートを切った。若手選手の1人FW近藤慶一は、昨シーズン特別指定選手として26試合に出場し3ゴールと結果も残している。そして、さらなる得点への期待も背負って戦う今季は、ここまで9試合に出場し早くも2ゴールと新たな得点源としての役割をまっとうしていると言えよう。

空中戦の高さと強さが大きな魅力で、実際に今季初ゴールをマークした第4節のロアッソ熊本戦でもクロスに対して高さで相手を上回り強烈なヘッドでゴールを挙げている。幸い、新戦力にはMF西川潤やMF大迫塁など質の高いボールを前線に供給できる選手が揃っている。それだけに、近藤にはさらなるゴール量産を期待したい。


永田貫太 写真:Getty Images

永田貫太(藤枝MYFC)

現在18位と苦しい序盤戦を過ごしている藤枝MYFC。夏冬と主力選手の流出があったとはいえ、昨年は上位勢に匹敵する得点力を誇ったチームが、今季ここまで4ゴールとリーグ最下位の得点数になっていることが気がかりだ。そんな中、ここから先もキーマンとなり得るのが開幕から10戦すべてに出場している大卒ルーキーMF永田貫太だ。

魅力は何といってもその推進力の高さ。縦だけでなく内側へも切り込めるドリブルから、すでに多くのチャンスに絡んでいる。第9節のベガルタ仙台戦では、自らの仕掛けから嬉しいプロ初ゴールもマークしており、さらに勢いを増すだろうことも想像に難くない。最前線の選手たちのゴールが少ない今季の藤枝。永田のチャンスメイクによってゴールが遠いFW陣に得点をもたらすことができれば、チームとして勢いもついてくるはず。チームの浮沈を左右する働きも期待できるだけに、今後も目が離せない存在であることは間違いない。