黒田剛監督 写真:Getty Images

 黒田剛監督率いる町田ゼルビアは、今月21日開催の明治安田J1リーグ第9節でFC東京と対戦。前節のヴィッセル神戸戦ではロングスローを巡り、ファン・サポーターの間で批判が湧き起こっていたが、日本代表OBの内田篤人氏や中村憲剛氏は“ロングスロー批判”に反論している。

 J1初挑戦の町田は、プレー強度の高さやロングスロー、ロングフィードを武器に躍進。ファウル数の多さやタックル、空中戦に拘る戦術などで批判を浴びることもあるが、第8節終了時点で首位セレッソ大阪から勝ち点2差の3位につけている。

 ただ、今月13日に国立競技場で行われた神戸戦では、1-2と町田ビハインドで迎えた90+7分のシーンが議論の対象に。神戸所属DF本多勇喜のクリアボールがハーフウェイライン付近でタッチラインを割ったものの、町田はハーフウェイラインよりも15メートルほど敵陣へ進んだ位置からロングスロー。ネット上では「町田、スローインのポジション全然違う」という指摘が相次いだほか、一部では「審判がちゃんとスローインの位置を注意してほしい」「神戸の選手が指摘すべき」などと、責任の所在を追及する動きもあった。

 町田のロングスローに再び注目が集まる中、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月18日配信開始の「内田篤人のフットボール・タイム」では、同クラブの戦術が話題に。内田氏はディフェンダー目線で「(相手が)蹴ったボールをヘディングする場合とは全然違う。手で投げられたボールをヘディングする場合、落下地点、軌道、球速を読むのが難しい」とロングスローが相手守備陣にもたらす脅威を解説する。

 また、町田がゴール前を囲むように選手を配置するなど、セカンドボール回収率を高めるための工夫を施していることも話題になると、内田氏は「真似しようとしても、簡単にはできない。ただロングスローやれば良いというわけではない」と、黒田監督による緻密な戦術を称賛。「賛否あるだろうけど、別にファウルでも何でもないし。サッカーの(戦術の)ひとつだから(問題ない)」と私見を述べると、中村氏も「ロングスローを正しく使っているだけ」と頷いた。