2012年に設立されたシガデザインは、国際的なデザイナーチームからなる気鋭ブランドだ。グローバルなデザイン理念が導入されたそのプロダクトには、強靭なゴリラから着想を得たシリーズXや“天円地方(天は丸く、地は方形である)という古代中国の建築思想をオマージュしたシリーズCなど、独創的かつ革新的なモデルがラインナップし、過去10年間で17もの国際的なデザイン賞を受賞している。
さらに同ブランドがデザインのみならず、ウオッチメイキングでも高く評価されるのに時間は掛からなかった。ここで取り上げる“シリーズU ブループラネット”が、時計界のアカデミー賞と称される“ジュネーブ・ウォッチメイキング・グランプリ(GPHG)2021”でチャレンジウオッチ賞を受賞したのである。
本作でまず目を奪われるのは、文字盤の半分以上を占める立体的な地球儀表示だろう。丸みを帯びた46㎜径のケースともあいまってインパクトは抜群だが、本作で見るべきは斬新なデザインに留まらない。なんとひとつの指針で時・分を示すという既存の概念を覆す時刻表示システムを採用しているのだ。
指針が固定されているのであれば、従来のメカニズムで時刻表示は可能なのだが、本作ですごいのは地球儀表示自体も自転に合わせて回転しているという点。そのためギア比を変えて、ミニッツリングが390度回転した際に地球儀表示が30度回転する仕組みとなっている。ちなみに下の写真場合、時刻は7時5分となる。既成概念に囚われない自由な発想で、ありそうでなかった時刻表示を採用した注目作と言えよう。
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文◎Watch LIFE NEWS編集部