■黄昏時、ビルの11階でシーズンカクテルを

BARTENDER

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

銀座通りの顔ともいえる資生堂パーラー。名物のパフェやオムライスなどを目当てに、たくさんの人が出入りしているが、今日これから目指すのはビル最上階(11階)の「バー エス」である。

時間は午後3時。バーに入るには、まだどこか後ろめたくなるような頃合いだ。しかしエレベーターから下りると、そこに広がる上質な空間に目を奪われ、時間などたちまちにして忘れる。

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
広々として、ゆとりのある空間自体にサービスの心を感じさせる。天井は開閉可能でダイレクトに夜空が見られる日もある。(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

カウンター席に腰を下ろし、バーテンダーの阪川徳さんがお勧めしてくれたカラカラの冬バージョンを頼んだ。阪川さんのオリジナルで四季折々の色合いや味が愉しめる新シリーズだ。

「父が下北沢で小さなバーをやっていまして、カクテルを作る姿をよく見ていました。最初はただ作ること自体が楽しいだけでしたが、伝統的なカクテルには、それぞれに奥の深い歴史があることを知りました。カクテルは時に人を喜ばせ、目の前の人に寄り添うものなのだとわかり、バーテンダーにハマっていきました」と阪川さん。

ほのかに漂う柚子の風味。優しげな味が喉をそっと刺激してくれて安堵の息が洩れる。

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
シックな雰囲気のラウンジスペース。(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)
ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
紫色の表紙がおしゃれなメニュー表。(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)
ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
グラスやウイスキーの並びも見ていて美しい。女性客の姿も多い。(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

「同じビルに資生堂パーラーのレストランなどもあり、食前食後に立ち寄れる入りやすさも、当店の特徴かと思います。男性も女性も『初めてバーに来ました』という方もいらっしゃいますが、お話のなかでお客さまがどんな飲み物をお望みなのかを察して喜んでいただけるものを出せたときが嬉しさを感じる瞬間です」

二杯目はオープン当初から提供しているという名物カクテル「S」。

この店のイメージカラーである紫色が美しく、これも美味しい。表面に浮かぶ金粉は星空を表しているそうだ。高い天井を見上げながら杯を干す。空がとても近くに感じられる。

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
オリジナルカクテル「S」(1700円)。ウォッカにパッソア、ボルスブルー、クランベリージュース、レモンで整え、金箔で彩る。(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

席の配置、カクテルの色合い、ウイスキーのセレクトなど、すべてが洗練された空間だ。3階・4階のカフェやレストランを過ぎ、ビルの11階まで上がる、ほんの少しのハードルを越えるだけでこんなにも素敵な空間と出合えるとは……。

グラスを持ち、銀座の空を眺めると、スマホ片手に下ばかりではなく上を向いて歩こうという気持ちになってくる。刻一刻と表情を変えゆく銀座の街の黄昏時に極上の一杯。今宵はいい夢が見られそうだ。

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

■冬の一杯

カラカラ〈冬〉 (2500円)

ビルの11Fで味わう開放感「BAR S」(銀座)|カクテルを愉しむBAR
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

氷がグラスに当たる音を表現したネーミングの新カクテルは2023年12月から登場。山椒風味のカフェジンをベースにドランブイ、柚子、カルピスなどを加える。

BAR S
東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル11F
TEL:03-3572-3922
営業時間:15:00~23:00
チャージ:1000円 席数:53席
定休日:日・月曜、祝日
アクセス:JR「新橋駅」より徒歩約5分

文/上永哲矢 撮影/菊田香太郎

提供元・男の隠れ家デジタル

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