息子の豊田大輔氏による世襲

 そんな豊田会長がこだわっているのが、息子の豊田大輔氏による世襲だとされる。前出・桜井氏はいう。

「トヨタは19年に常務役員、常務理事、基幹職1級・2級、技範級を一括りして『幹部職』というポストに集約。そして20年には副社長職を廃止し、社長の下の執行役員は全員、同格の立場となったが、背景には大輔氏が社長になるまでの距離をできるだけ短くするという狙いもあったといわれている。

 将来の大輔氏の社長就任は規定路線であり、そのための実績をつくるために大輔氏はトヨタ子会社のウーブン・プラネット・ホールディングスシニア・バイス・プレジデント(上席副社長)、および同社子会社ウーブン・アルファの代表取締役に就いたが、結果は大失敗。ウーブン・アルファは多額の赤字となり、ウーブン・プラネットに吸収合併されるかたちで消滅した。大輔氏には負の実績しかなく、社内でビジネス的な手腕を評価する声はない」

 トヨタの危機は、思わぬところで静かに進行しているのかもしれない。

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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