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スズキ生まれのシボレー車たち

スズキ生まれのシボレー車たち

OEMにしてはインパクトがデカかった!スズキ世界進出の足がかりとなった静岡生まれのアメ車、シボレー MW&クルーズ【推し車】
(画像=MW(ワゴンR+)やクルーズは、シボレー以外にもGM傘下のブランドで販売され、このオーストラリア向け「ホールデン クルーズ」もそのひとつ 出典:flickr.com Author:TuRbO_J CC BY 2.0、『MOBY』より 引用)

名車と言うほどではないものの、その時代では一定の役割を果たした「銘車」とでも呼ぶべきクルマたち、その中から今回はシボレー MWと、シボレー クルーズを紹介します。

シボレーといえば米GMのいちブランド、日本で販売していたシボレー車にそんなクルマがあったかなと思うかもしれませんが、それぞれベースはスズキ ワゴンR+(現在のソリオ)と初代スズキ スイフト。

GMとの提携関係末期、関係を強めていたスズキがGMへ供給して日本で販売、当時は結構見かけたものですが、スズキにとっては現在のように小型車メーカーとしても存在感を得る、足がかりとなりました。

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スズキ製シボレー車の国内販売第一号、シボレー MW

スズキ製シボレー車の国内販売第一号、シボレー MW

OEMにしてはインパクトがデカかった!スズキ世界進出の足がかりとなった静岡生まれのアメ車、シボレー MW&クルーズ【推し車】
(画像=スズキ ワゴンR+をGMにOEM供給した「シボレー MW」、『MOBY』より 引用)

1980年代に米GMからの依頼で、1960年代に細々と販売したフロンテ800以来となる小型車を開発、「シボレー」、後に「ジオ」といったGMの低価格車ブランドへ供給する一方、自社ブランドでも、「カルタス」として販売し、小型車市場へ本格参入したスズキ。

当初GMの注文通りに作った安普請のクルマでは納得いかず、自社ブランドでも売るのだからと初代カルタス後期から気合を入れた大改良を断行し、それがGMにも受け入れられて、小型車メーカーとしての堅実な成長と、軽自動車メーカーからの脱却が進みました。

1998年9月には、GMグループの小型車部門として提携関係を強化、スズキはGMへクルマを供給するだけでなく、新興国のGM工場へ出資するなど、全世界規模で戦略的パートナーとなったのです…今はトヨタ陣営の一角にあるスズキにも、そんな時代があったのです。

2000年9月に日本で発売された「シボレー MW」も、そうしたスズキ・GM蜜月時代を象徴した動きのひとつで、小型車版ワゴンRの「ワゴンR+(プラス)」をベースに、フロントグリルなどをシボレー仕様としたOEM供給車。

海外では多数の実績があった「スズキ製GM車」ですが、日本国内向けとしてはMWが初でしたが、「アメ車に乗りたいけどデカすぎるし信頼性が…」「ただのワゴンRを買ってもどうせカスタムするし」という層が多かったのでしょうか。

大ヒットしたというわけではないのですが、本家ワゴンR+よりインパクトのあるフロントマスクだったおかげで、当時はよく見かけた覚えがあります。

GMオートワールド店(後にGMシボレー店)のほか、スズキアリーナ店などスズキのディーラーでも2010年まで販売されるという、地味ながら息の長いクルマでした。

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共同開発車YGM-1、GM名「シボレー クルーズ」

共同開発車YGM-1、GM名「シボレー クルーズ」

OEMにしてはインパクトがデカかった!スズキ世界進出の足がかりとなった静岡生まれのアメ車、シボレー MW&クルーズ【推し車】
(画像=初代スズキ スイフトのアメリカンSUV仕様だが、大胆なリフトアップとGM流のドレスアップで見違えた「シボレー クルーズ」、『MOBY』より 引用)

シボレー MWのOEM供給に先駆け、GMはアジア・オセアニアを中心とした新しい新興国向け小型車「YGM-1」をスズキと共同開発することに決め、同車は東京モーターショー1999で発表された後、2001年10月には「シボレー クルーズ」として日本でも発売されました。

それに先立つ2000年1月、初代「スズキ スイフト」として発売されたコンパクトカーのGM版ですが、最低地上高を上げて大径タイヤを履き、ルーフレールを装着するなどクロスオーバー色が強く、ただ初代スイフトにシボレーのバッチを貼ったクルマではありません。

乗り味こそスイフトそのものでしたが、GM側で担当した外装デザインはアメ車風で、単純なビスカス・カップリングを使ったスタンバイ式ではなく、電子制御カップリングで積極的な駆動力配分を行う本格的な4WDシステムを採用したのも特徴。

いわば「初代スイフトがベースのSUV版」で、当初はGMオートワールド店向けに1.5リッター車を、スズキディーラー向けには1.3リッター車と分けて販売していましたが、すぐに全モデルが双方のディーラーで買えるようになります。

大抵の軽自動車より安い廉価グレード(SE-Z:2003年頃だと79万円~)があった初代スイフトに対し、シボレー クルーズは安くとも99万円からと少々高かったものの、当時としては手頃な価格で買えるアメリカン風味なコンパクトSUVとして、ちょっと人気でした。

スイフトが2004年に2代目へと代替わりした後も、シボレー クルーズは2008年まで販売されており、現在も販売している、イグニスやクロスビーのご先祖的モデル。

その間に深刻な経営危機に陥ったGMはスズキとの関係を段階的に解消、それを機にスズキは独力での世界戦略車として、2代目以降の「スイフト」を開発、3代目以降でコンパクト・トールワゴンの傑作になった「ソリオ」も生み出します。

日本では決して大ヒットとまで言えなかった「スズキ製GM車」ですが、GMとの提携強化を機に世界へ打って出る実力をつけ、今やトヨタに信頼されて、インドや東欧などで重要なポジションを任されるまでになったスズキにとっては、重要な転機になりました。

※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。

文・MOBY編集部/提供元・MOBY

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