知っている人だけが得をする、そんな特例が世の中には数多く存在する。

例えば、児童手当。月末最終日に出産した人は児童手当「1.5万円」を受け取らずに損をしているかもしれない。児童手当の支給は申請月の翌月分からが原則となっているため、月末最終日に出産した人の申請手続きは翌月になってしまうため、4月産まれと同じ扱いになってしまうというわけだ。月末産まれだと「1.5万円の損」(0-3歳児の支給額は月1.5万円で計算)。しかしこれは原則の話であり、特例を利用すれば月末でも1.5万円の児童手当を受け取ることは出来る。

他にも、夫婦ダブルで適用される住宅ローン控除や住宅資金贈与の非課税制度などをここでは紹介していこう。

(1)児童手当を1.5万円得する方法

児童手当は、0-3歳児に対しては月1.5万円、3歳児-小学生までは1万円(第3子以降は1.5万円)、中学生は1万円が支給される(扶養人数に応じた一定の所得を超える場合は、特例給付として一律0.5万円支給)。児童手当の支給は、申請した月の翌月分からだ。仮に1月に子供が生まれて3月に申請したとしたら、支給されるのは4月分からになる。2月・3月分が遡って支給されることは、無い。出生後、速やかな手続きが欠かせない。しかし冒頭でも述べた通り、3月31日に出生した場合、その日のうちに出生届を済ませて、その上に児童手当の申請手続きを踏むのは至難の業だ。一般的に申請は2月1日以降となり、1.5万円損をしてしまう。

ただし、一般的にはあまり知られていないが、出生日の翌日から15日以内に申請すれば、申請した月ではなく、特例として出産日の翌月分から支給される。たった1日早く生まれただけで、まるまる1.5万円得する計算だ。ただし出生日から15日を過ぎてしまうと、この特例は適用されないので注意が必要だ。

 (2)夫婦それぞれが住宅資金の贈与を受ける

マイホーム購入の際、直系尊属(父母や祖父母)から住宅取得資金の贈与を受けた場合には、一定の限度額までは非課税の適用を受けることができる。限度額は、受贈者ごとに、通常の場合で700万円、省エネ等住宅を取得した場合には1,200万円とされている。仮に消費税が10%に引き上げられたら、限度額もそれぞれ2,500万円、3,000万円にアップする。

では、夫婦がそれぞれ贈与を受けた場合には、限度額の判定はどうなるのか?一般的には、夫婦の贈与金額を合算してと思われがちだが、限度額はあくまで受贈者ごとに判定する。

受贈者ごとの限度額が700万円の場合を例にとると、夫が700万円、妻が700万円をそれぞれ直系尊属から贈与を受けた場合には、夫の限度額700万円+妻の限度額700万円=1,400万円が非課税金額となる。ただし、その年分の合計所得金額が2,000万円を超える場合には、非課税の適用を受けることができない。

 (3)住宅ローン控除も夫婦ダブル適用が

住宅借入金等特別控除、いわゆる住宅ローン控除とは、住宅取得促進を目的とした所得税制上の優遇措置だ。個人がマイホームを取得した資金を金融機関から借り入れた場合には、その取得した年から10年間にわたり、毎年末融資残高の1%に相当する金額を所得税の納付額から控除できる。この場合の控除限度額は1年あたり50万円で、10年間では500万円になる。

住宅ローン控除制度の適用も、あくまで個人単位だ。共働きの夫婦が住宅ローンの連帯債務者となる場合は、夫婦合わせた控除限度額は1年あたり100万円、10年間では1,000万円に達する。

ただし、上記の場合は、マイホームを夫婦の共有としなければならない。加えて、共有持分割合と、連帯債務(頭金を含む)の負担割合を合わせておかないと、住宅ローン控除額の減額や贈与の問題が生じる怖れがある。
 
今回取り上げたお得な制度は、ほんの一例に過ぎない。たとえ給料やボーナスが頭打ちでも、工夫次第で手取りを増やすことはまだまだできるだろう。

文・MONEY TIMES 編集部 

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