ARGENTINA, AVIÓNES ARGENTINOS, PROHIBIDOS CRUZAR POR ESPACIO AEREO VENEZOLANO. 11-04-2024.

アルゼンチン機がベネズエラ上空を通過できなくなった

アルゼンチン・ブエノスアイレスのエツェイツァ(Ezeiza)空港に駐機していたベネズエラの飛行機Entrasurボーイング747-300が米国の法廷から差し押さえ命令がくだされて機体が米国に移送されるという事件が起きた。

それに立腹したベネズエラのマドゥロ大統領はアルゼンチン航空を始め、アルゼンチンの国籍記号LVで始まる全ての飛行機のベネズエラ上空の通過を禁止した。その影響が出るのはアルゼンチンからニューヨーク、マイアミ、プンタカナに向かう航路で、少し遠回りした航路の設定を余儀なくさせられるということになる。(3月14日付「エル・コメルシオ」から引用)。

ベネズエラ上空を通過できなくなった理由

今回の出来事の経緯はこうだ。

先ず最初に、問題の機体の存在が明らかにされたのは昨年2月5日のこと。ブエノスアイレスの駐ベネズエラ大使館のスタッフが同機が長く駐機されているのをカメラに写したことから事態が急展開するのである。

昨年6月6日、ベネズエラのEmtrasurの1機がメキシコのケタロー市にて自動車部品を積んだ。それはアルゼンチンにあるフォルクスワーゲン社の車種TAOSにセットする部品であった。

同月8日、その任務を終えて本国に戻るために燃料の給油を要請。ところが、シェルは給油を辞退。理由は同機は米国から制裁を受けているからであった。

元々、同機はこの制裁の影響でメキシコに入国することさえ禁止されていた。ところが、メキシコで左派系のロペス・オブラドール大統領が政権に就いてからは米国の制裁を事態によっては無視する傾向にある。特に、同大統領はベネズエラのマドゥロ政権には比較的寛大な外交を展開している。ということから、Emtrasur機はメキシコのケタロー市で荷を積んでブエノスアイレスに輸送したのである。

ところが上述したように、ブエノスアイレスの空港にて燃料の給油ができないという事態になった。同機は隣国ウルグアイの首都モンテビデオの空港で給油することを計画し、同国に向かった。しかし、米国と良好な関係を維持しているウルグアイは同機が入国することを拒否した。そこで、同機は仕方なくブエノスアイレスに引き返した。