運転免許証には各自12桁の番号が付与されているが、実はその数字は重要な意味を持つ。ここでは、運転免許証の数字の秘密について紹介しよう。

運転免許証の12桁の番号の意味は?

さっそく、運転免許証の12桁の番号の意味をひもといていこう。

1~2桁目の数字

左から1~2桁目の数字は、「管轄の都道府県番号」で、一般的には「公安委員会コードナンバー」と呼ばれている。つまり、左から1~2桁の数字を見れば「どこで初めて免許証の交付を受けたか」がわかる仕組みだ。

例えば、東京都の公安委員会から初めて免許証の交付を受けた場合、1~2桁目の数字は、「30」となる。

3~4桁目の数字

左から3~4桁目の数字は「初めて免許を取得した年」を表す。

例えば、1991年取得であれば「91」に、2001年取得であれば「01」になるので、いつ免許証を取得したのか、すぐわかるようになっている。

5~10桁目の数字

左から5~10桁目の数字は、「公安委員会の管理番号」だ。公安委員会が、免許証を管理するために使うもので、各都道府県によって番号をつける基準が異なるのも大きな特徴だ。番号を付ける基準が特段公表されているわけではないので、学科試験の点数が記されているのではないかなどさまざまな説があるが、これらはいわゆる「都市伝説」のようである。

11桁目の数字

左から11桁目の数字は、「チェックディジット」である。入力ミスを検出するために設定されている検証用の数字のことで、運転免許証を再発行しても変わることはない。

12桁目の数字

左から12桁目の数字は、「再交付回数」を表している。紛失・盗難などで再発行を受けると、この数字は「1」「2」と増えていく。ただし、運転免許証番号が確認できる破損や汚れの場合や、免許の更新では数字は増えない。

免許証を紛失した際の3つのリスク

免許証は他の身分証と違い、紛失した場合に悪用される可能性が高いことに注意して欲しい。特に以下の3つは「ありがちな悪用」と言えるだろう。

● 銀行口座を無断で開設される
● 携帯電話を契約される
● クレジットカードを作られる

これだけではなく、そのようにして入手した銀行口座や携帯電話、クレジットカードが犯罪行為に使われたり、勝手に買い物やキャッシングをされたりする可能性もあるのでくれぐれも注意して欲しい。

持ち歩かずに済むならそれが一番だが、できない場合は紛失しないように気を付けよう。それでも紛失してしまった場合はすぐに遺失届を出して欲しい。また、悪用されたとわかった時点で被害届を出しておけば「自分がやったのではない」と主張する根拠にもなる。

免許証のデジタル化に備えて

実は、運転免許証とマイナンバーカードが一体化されることはご存じだろうか。国は2024年末に運転免許証とマイナンバーカードの一体化を計画している。簡単にいうと、運転免許証の情報をマイナンバーカードのICチップに登録して一体化するということだ。これにより、転居した場合でもマイナンバーカードと運転免許証の住所変更手続きを別個に行う必要がなくなる。つまり、市区町村に届出を行えば、地方公共団体および各都道府県警察のシステム上で情報が自動的に更新されるので、だいぶ手間が省けるだろう。

まだマイナンバーカードを取得していないという人は、良い機会なのでさっそく取得の手続きを進めてみてはいかがだろうか。金融機関での取引や健康保険証としての利用など、活用シーンは増えているので、持っておいて損はないはずだ。

文・荒井美亜(金融ライター/ファイナンシャル・プランナー)
立教大学大学院経済学研究科を修了(会計学修士)。税理士事務所、一般企業等の経理を経験して現在は金融マネー系ライターとして活動中。日本FP協会の消費者向けイベントにも講師として登壇経験あり。