近年は、過去のアーカイブに着想を得てヴィンテージテイストを取り入れたモデルが好調なセイコー プロスペックス。その新作として注目を集めているのが、スピードタイマー メカニカルクロノグラフだろう。

“パンダ文字盤”の通称で知られる白黒のツートン仕様に加え、クロノグラフ用針の先端にあしらわれたオレンジの配色のほか、流線形のケースや多連ブレスレットなど、まさしく1970年代モデルを思わせる造形だ。率直に言うと現行スピードタイマーのなかで、群を抜いて筆者好みのデザインだったため、今回取り上げさせていただいた。

【セイコー、パンダ文字盤クロノ】“スピードタイマー メカニカルクロノグラフ”を実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

スピードタイマー
メカニカルクロノグラフ
1972年に発売した“Cal.6138”を搭載したクロノグラフをデザインソースとした、スピードタイマーの最新作。なお、本作と同じタイミングでセイコー100周年モデル(Ref.SBEC023)も限定で登場したが、こちらはすでに流通在庫のみとなっているそうだ。
■Ref.SBEC021。SS(42mm径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.8R48)。セイコーウオッチサロン専用。35万2000円

【セイコー、パンダ文字盤クロノ】“スピードタイマー メカニカルクロノグラフ”を実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

1972年に発売されたクロノグラフ 6138。本作と2019年発売の周年記念モデルでもデザインのモチーフとなったクロノグラフ 6138。

【セイコー、パンダ文字盤クロノ】“スピードタイマー メカニカルクロノグラフ”を実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

スピードタイマーの既存クロノグラフモデルは計器然とした趣だが、本作では細かいピッチのコマで構成した多連ブレスを採用するなど、エレガントな雰囲気が追求された。またクロノグラフは針飛びが起こりにくい垂直クラッチ式を採用しており、計測における信頼性は高いが、一方で構造上、厚みが出るのは避けられない。そこで厚みの軽減にもこだわり、ケース厚は14.6mm、重量は183gに留めた。

搭載するのはキャリバー8R48である。マジックレバーを採用する自動巻きムーヴメントをベースにした、セイコーの伝統を受け継ぐ信頼性の高いキャリバーだ。

また8R48は垂直クラッチを搭載したクロノグラフモジュールを重ねた構造だが、メタルバックを採用し、厚みを軽減している。約35万円という価格は、スイス製で同等の汎用クロノグラフと比較して大きなバリューがあると言える。

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