徳島ヴォルティス 写真:Getty Images

 吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任、MF島川俊郎の現役引退、MF西谷和希の退団で揺れる徳島ヴォルティス。増田功作暫定監督のもと、今月13日開催の明治安田J2リーグ第10節でV・ファーレン長崎に1-6で大敗を喫するなど、悪い流れは止まらない。そんな中、一部のファン・サポーターの間ではGKホセ・アウレリオ・スアレスの退団説も飛び交っている。

 徳島はリカルド・ロドリゲスのもとでJ1昇格を果たし、ダニエル・ポヤトス(現ガンバ大阪監督)、ベニャート・ラバインのもとでポゼッションサッカーのスタイルを培ってきたが、昨年夏に吉田氏を招へい。今季も吉田監督のもとでシーズンインしたが、開幕ダッシュに失敗し、J2最下位に転落。西谷がプレースタイルを巡りSNS等を通じて異議を唱えるなどチームのまとまりもなく、3月31日から4月4日にかけて吉田監督、岡田強化本部長、島川、西谷がチームを離れている。

 増田暫定監督のもとで再始動も、リーグ戦で連敗を喫していた徳島。長崎戦では、FWエジガル・ジュニオにハットトリックを許したほか、FWフアンマ・デルガドにも2度ゴールネットを揺らされるなど、終始防戦一方の展開に。途中出場のFW渡大生が意地の一発を放ったが、1点を返すので精いっぱいだった。

 大敗を喫するなど好転の兆しがほとんどないだけに、正守護神のホセは落胆を隠せなかった模様。Jリーグ公式サイトによると、同選手は長崎戦後に「試合の最初からわれわれはリズムも作れず、迷子というか進むべき道が分からないまま走っていた」と試合を振り返ると、「モチベーションをどうにか見つけないといけない」と次節に向けての課題を語っていたという。

 プレーするに当たってのモチベーションが見つからないとも解釈可能なコメントであるだけに、ネット上では、「ホセのモチベーションが心配」「夏にいなくなりそう…」「ホセまでチーム離れたら終わりだよ…」といった声が飛んでいる。また、長崎戦の大敗を受けて「せめて去年からいる選手は西谷に謝って、そして西谷を呼び戻して」「選手、スタッフ、クラブ関係者全員で西谷に謝罪を」「西谷を返して」といった厳しい意見も挙がっている。

 ホセはバルセロナの下部組織出身。ジローナをはじめスペイン国内の複数クラブを渡り歩き、2022年1月にADアルコルコンから徳島へ完全移籍。来日1年目からリーグ戦34試合でプレーするなど、中心選手としてチームを支えており、今季もここまでリーグ戦全試合でゴールマウスを守っている。今もなお周囲で西谷退団に対する異論が湧き起こっているだけに、選手、監督、ファン・サポーター等が一丸となって戦うのにもう少し時間がかかりそうだ。