大岩剛監督率いるU23日本代表は、今月16日にAFC U23アジアカップ兼パリ五輪予選のグループステージ初戦(対U23中国代表)を控えている。その中国戦を前に、DF木村誠二(サガン鳥栖)が周囲の期待とチーム目標のギャップを指摘した。
今月12日に日本サッカー協会(JFA)公式YouTubeチャンネルで公開された『Team Cam』では、木村に対するインタビューの様子が公開。同選手は「もちろん優勝とパリ五輪(本大会出場)の切符を勝ち取ることは、絶対このチームに求められているし、成し遂げないといけないことだと思っているので、そこに向かってチーム全員で頑張りたい」と、中国戦を前に気を引き締めている。
今大会では、1~3位にパリ五輪本大会出場権が与えられるほか、4位となった場合でもプレーオフで勝利すればパリへの切符が手に入る。この大会のレギュレーションが故に、日本では「パリ五輪本大会出場権獲得」ばかりが求められており、「U23アジアカップ優勝」を期待する声がほとんど挙がっていない。
このようなU23日本代表に対するファンやメディアの期待に、木村は「なんでなんですかね」と首を傾げると、「『絶対優勝しないといけない』と周りから言われたわけでもないし、『パリへの切符つかめたら良い』と言う人がいても別に悪くはないと思う。だけど、チームには『ベスト4入ってしっかり3位決定戦を戦って、パリ五輪出れば良い』という考えをする人は当たり前のように誰もいない。そのような状況なので、自然と優勝という言葉がみんな出てきていると思う」と、周囲の期待よりも高い目標を見据えているチーム全体の雰囲気を前面に押し出している。
グループステージで韓国、中国、UAEと同居した日本。決勝トーナメント進出の場合にはカタールなど中東勢との対戦も考えられるだけに、パリ五輪本大会出場権への道は険しい。それでも木村のコメントからは、高いレベルに目標を設定することの重要性が伺える。