ルーカス・ブラガ 写真:Getty Images

2024明治安田J2リーグは第9節までが終了。クラブ史上初めてJ2で2年目を迎えている清水エスパルスが首位を走り、昨季は惜しくもプレーオフ圏入りを逃したV・ファーレン長崎と、この冬積極的に補強に動いたファジアーノ岡山が追走する図式の序盤戦となっている。

上位のクラブを中心に、今冬新しくチームに加わった選手たちの活躍が目立つ。ここではそんな新戦力の躍進が目覚ましい3クラブについて、ランキング形式で紹介していく。


吉田謙監督 写真:Getty Images

3位:ブラウブリッツ秋田

開幕から2連敗と先行きが不安な立ち上がりとなった2024シーズンのブラウブリッツ秋田。しかし、第3節以降は4勝2分1敗と大きく勝ち点を伸ばし現在6位につけている。そんな秋田で好調の一因となっているのが、今冬加入した新戦力選手たちの活躍だ。

秋田ではこの冬、ファジアーノ岡山から期限付きで加入し守備を支えていたDF阿部海大が期限満了でチームを去った。さらに昨季40試合に出場しチームトップとなる4アシストを挙げたDF髙田椋汰がベガルタ仙台に移籍するなど、DFラインがどうなるのか気がかりな要素を含んで開幕を迎えた。だが、そんな不安をよそにDF喜岡佳太やDF村松航太といった新戦力が早くもチームに順応しはじめ、ここまでリーグで2番目に少ない7失点と昨年同様に強固な守備陣の形成に成功している。

また、昨季リーグ最少タイの得点数となった課題の攻撃面では、J1昇格を果たした町田ゼルビアから期限付きで加入しているFW佐藤大樹が8試合出場で4ゴール1アシストと躍動。まだまだ得点力不足が解消されたとは言えないが、補強により大きな得点源は得られたと言えよう。

一方で、昨年のJ3得点王でもある期待の新戦力FW小松蓮にはまだ加入後初ゴールが生まれていない。ここから順位をさらに上げていくためにも、今季補強の目玉ともいえる小松の得点力は間違いなく必要だ。主力の入れ替わりがありながらも新たに加わった選手たちによって高い守備力を維持できていることと、課題の得点力にも新加入選手の光明が見えることから補強組の活躍度3位とした。

木山隆之監督 写真:Getty Images

2位:ファジアーノ岡山

昨2023シーズンは引き分け数がリーグトップタイの19と勝ちきれないゲームが多く、不本意な結果に終わっていたファジアーノ岡山。今季こそは悲願のJ1昇格を果たすため、この冬は積極的な補強に動いた。各ポジションに実力者を獲得した甲斐もあり、いまのところ序盤戦は好調だ。

横浜FCから獲得したGKスベンド・ブローダーセンは、開幕から9戦すべてにスタメン出場。リーグで2番目に少ない失点数を誇る守備陣の一角を担い安定した働きを見せている。そして、J1からJ3まで多くのクラブで経験を積むDF柳貴博の働きも大きい。FC琉球から加入した柳は、第7節大分トリニータ戦での退場こそあったものの右サイドからのチャンスメイクで実際にアシストも1つマークしており、さらなる活躍に期待がかかる。同じくチャンスメイクで言えばMF藤田息吹の存在も忘れてはならない。昨季モンテディオ山形で37試合に出場しプレーオフ進出にも貢献したベテランは、新天地に来てもなお安定感抜群。広範囲に顔を出しボール奪取からゲームメイクまで幅広く役割を果たしている。

攻撃陣では韓国の慶南FCから加入したFWグレイソンがここまで全試合に出場し、早くも2ゴール3アシストと多くの得点シーンに関わる働きで存在感を放っている。もちろんその他の新戦力を見ても、いわきFCから加入したMF岩渕弘人や第9節で待望の移籍後初ゴールを決めたFW齋藤恵太などここから先も活躍が楽しみな選手が多く揃っている。すでに主軸として活躍する選手が多数おり、序盤戦で好順位につけるチームを支える働きを見せていることから補強組の活躍度2位とした。


住吉ジェラニレショーン 写真:Getty Images