金子拓郎 写真:Getty Images

 北海道コンサドーレ札幌からクロアチア1部ディナモ・ザグレブへ期限付き移籍中のMF金子拓郎に、今夏札幌復帰の可能性が浮上。クロアチア国内メディアが同選手の去就を伝えている。

 現在26歳の金子は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもと札幌の主力選手として活躍すると、昨年7月にディナモへ1年レンタルにより加入。9月27日開催のカップ戦で移籍後初ゴールを挙げると、リーグ戦中断期間前の昨年12月までは1ゴール5アシストと結果を残していた。しかし今年1月以降は、リーグ戦ほぼ全試合スタメン出場もゴールアシストともにゼロ。今月7日開催の第29節NKイストラ戦ではベンチ外となっている。

 クロアチア紙『sportske novosti』は今月11日にディナモ所属選手の去就を特集。「UEFAチャンピオンズリーグ出場権を獲得できなかった場合、クラブの財政力が問題になる」とした上で複数選手の退団を予想しているが、金子について「札幌にレンタル料として40万ユーロ(当時約6200万円)を支払っており、買い取りオプションは110万ユーロ(約1億8000万円)に設定されている。ただ、彼の結果はそこまで印象に残るものではない。最近は控えめになっており、買取金額に見合うだけのパフォーマンスではない」とリポート。クラブが日本人MFの完全獲得に否定的である可能性を伝えた。

 また、ディナモはバイエルン・ミュンヘンからレンタル移籍により加入しているU21クロアチア代表MFガブリエル・ヴィドヴィッチの引き留めも微妙であるとのこと。350万ユーロ(約5億8000万円)の買い取りオプション行使は現実的ではなく、レンタル移籍期間の延長を検討しているという。

 なお、金子は昨年12月15日のクラブ公式会見で「特に自分には話が無いので、どうなるのか分かりません。もしかしたら代理人と何か話し合いがあったかもしれませんが、僕には分かりません」と述べつつも、「完全移籍できるように頑張りたいです」と海外でのプレー続行に意欲を覗かせていた。

 新型コロナ感染拡大前の第23期(2018年2月1日から2019年1月31日まで)から5年連続で赤字を計上した札幌。J1残留争いに巻き込まれているだけに、金子の復帰自体は喜ばしいことだが、同選手の完全放出による収入確保のチャンスを逃すことになるかもしれない。