※衝撃的な動画を掲載しています。苦手な方は文章のみご覧ください。
フライング・ロータス(Flying Lotus)は、米・カリフォルニア州出身の音楽プロデューサーだ。モダンジャズの名サックスプレイヤーであるジョン・コルトレーンを大叔父に、ジャズミュージシャンのアリス・コルトレーンを大叔母にもつ彼は、コルトレーン一族から受け継いだジャズとさまざまな音楽とをミックスしながら、独自の音楽性を確立していった。2006年に最初のアルバム『1983』をリリースして以降、2年ごとにニューアルバムを発表し、世界の音楽シーンに衝撃を与え続けている。また、2008年からは音楽レーベル「Brainfeeder(ブレインフィーダー)」を主宰。同レーベルは「LAビート」と呼ばれる音楽シーンを牽引しながら、数多くの有能なアーティストたちを世に送り出している。
昨年は、ロータス初の映画『Kuso』が公開され、あまりのグロさが話題となった。同年1月に開催されたプレミア試写会では、400人の観客のうち約20人が気分を害して退場したという。そんな『Kuso』のPVだけでも、狂気の世界を垣間見ることができる。暴力と性、異形が次々と映し出されるからだ。ペニスが何度も突き刺されるシーンを見た女性は「この映画が大嫌いです」と吐き捨てた。一方で、彼女の友人は「これは芸術よ」と絶賛。それほど評価が大きく分かれる映画である。
そんなロータスが手がけた映像作品のうち、「見たら頭が割れる」と評判の動画をご覧いただきたい。これは、2014年リリースのアルバム『You’re Dead!』(おまえは死んでいる!)に収録された1曲「Ready Err No」のMVだ。
洋館の一室に捕らわれている1人の捕虜。彼に近づくのは、斧を手に持った男だ。男は斧を振り下ろして捕虜の首を切り落とす。グシャッ、ベチョッという斬首音や生首から血が滴るポタポタという音が響き渡る。そしてここから、超絶なる悪夢の旅が始まる。死体、胎児、虫、臓物、異形の化け物……。次々と現れる悪夢の住人たちは、不安をかき立てるBGMとともに、視聴者に生理的嫌悪感を抱かせる。動画の中盤に登場する巨大な頭部は、15~16世紀にベルギー・フランドル地方で活躍したヒエロニムス・ボスが描いた怪物のようにも見えるが、そこにどのような意図が込められているのか定かではない。いずれにしても、ロータスが音楽と視覚的イメージとを融合して作り上げた映像は、我々が拠り所とする“常識”を破壊するほどのインパクトを持っている。ロータスは、過激でナンセンスな表現を通して、独自の死生観を人類に突き付けているのだろう。
ちなみに、ロータスは日本のサブカルチャーをこよなく愛する親日家としても知られている。このことは、『You’re Dead!』のジャケットデザインを日本の漫画家、駕籠真太郎に依頼したことからもうかがえる。駕籠真太郎といえば、エログロとスカトロを織り交ぜた狂気的世界を描く奇想漫画家だ。そんな駕籠真太郎とロータスがつながっているという事実は、とても興味深い。グロテスクでカオスな「Ready Err No」の動画には、日本人の心に通じる何かがあるのかもしれない。
■フライング・ロータスが作り上げた悪夢の世界「Ready Err No」
■20人の観客が吐き気を催したグロ映画『Kuso』のPV
参考:「YouTube」、「Flying Lotus オフィシャルサイト」「Pitchfork」、ほか
※当記事は2018年の記事を再掲しています。
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提供元・TOCANA
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