前野貴徳 写真:Getty Images

 愛媛FCは今月7日開催の明治安田J2リーグ第9節で、ファジアーノ岡山に2-2と引き分け。愛媛所属DF前野貴徳が試合後、ゴール裏のサポーターに熱い言葉で訴えるシーンが話題を呼んでいただけに、本人が自身の言動を振り返っている。

 昨季J3優勝を成し遂げた愛媛は、今季のJ2第8節終了時点で4勝1分3敗と上位争いを繰り広げる中、第8節終了時点で首位の岡山相手に互角の戦いを展開。12分にFW松田力のゴールで先制すると、オウンゴール献上直後の70分にDF小川大空のゴールで勝ち越し。72分にDFパク・ゴンウが一発退場となり、後半アディショナルタイムに同点ゴールを許したとはいえ、ホームで貴重な勝ち点1をつかんだ。

 しかしホームゴール裏のサポーターが静まり返ると、前野はサポーターに向かって「なんであっち(岡山サポーター)より黙っているんだよ、じゃあもっとくれよ。もっとちょうだいよ」と激しい口調で注文。サポーターが「もっと頑張るよ!」と答えると、同選手に拍手が送られた。

 2017シーズン終了後にアルビレックス新潟から愛媛へ復帰し、今季で7年目となる前野。今月9日にクラブ公式YouTubeチャンネルで公開された動画では、同選手が岡山戦終了直後の心境について以下のように語っている。 

 「僕の素直な気持ちとして、確かにゴール裏で言えば岡山サポーターの方が人数的にも多かったし、あの人数がいればえ当然声も大きいだろうし、手拍子の迫力も違うだろうし。だけど、決して愛媛サポーターが負けていたと思っていない」

 「岡山は、試合途中から10人で戦った僕たちに対して引き分けというのは痛かったはず。愛媛サポーターがどう思ったのか分からないけど、(前節終了時点での)首位相手に10人になっても果敢に攻めたし、必死に戦った結果が勝ち点1で終わってしまったというのはあるけど、試合後にゴール裏に行った時に静かだったのが、許せなかったっていうのが正直ある。0-5で負けたとか、何もできずに負けたというような雰囲気が伝わったので、あのような発言をした」

 ただ一方で、前野は「勘違いしてほしくないのは、声が出ていないとかそういうことは本当に思っていない。90分間、僕たちと一緒に戦ってくれた、鼓舞してくれたと思っている」とサポーターに感謝。その上で「鼓舞でも良かったし、何でも良かったけど、(試合後に)アクションがほしかった」と要望している。