山口蛍 写真:Getty Images

 ヴィッセル神戸所属の元日本代表MF山口蛍は、今月7日の明治安田J1リーグ第7節横浜F・マリノス戦後にインスタグラムのDM(ダイレクトメッセージ)で誹謗中傷被害に。本人が自身のプレーに言及するとともに、周囲からの声に対する思いを明かした。

 山口は今季ここまでリーグ戦全試合でフル出場。横浜FM戦でも総走行距離11.65km、スプリント16回とチーム内トップの数値を叩き出したが、パスがずれるなど精彩を欠く場面も見られた。

 チームが横浜FM戦で敗れたこともあり、試合後には山口や同選手の愛犬であるクロのインスタグラムに誹謗中傷のDMが複数寄せられたとのこと。クロのインスタグラムでは「正しい日本語を使えない人が汚い言葉を並べて、ましてや捨て垢でクロのインスタにまで試合についてDMしてこなくていいよ。返信する気はないからここで失礼します」と綴られている。

 誹謗中傷行為に対する批判が相次ぐ中、山口は8日にインスタグラムを更新。ホームゴール裏をバックにチームメイトと円陣を組む時の様子をアップすると、「マリノス戦応援ありがとうございました!」とファン・サポーターに感謝の思いを伝える。

 その上で、横浜FM戦で本来のパフォーマンスを発揮できなかったことに言及。「自分自身ここまでなかなか上手くいかず調子も上がって来てないのはわかってます。ミスも多いしチームに迷惑をかけてる、周りの声もそうだし、もう蛍は終わり、使わなくていいって言われてるのもわかってる」と一部の批判や心無いメッセージに触れた上で、「それでも俺に対して声援くれたり応援してくる人に応えたい。絶対に見返す。俺は絶対復活する」と巻き返しを誓った。

 なお、この一戦では一部の神戸サポーターが試合終盤に「おい早く立てよ!おい!立てよオラ!」「おいヘタレ!ヘタレ!」と拡声器を使って横浜FM所属選手に野次や罵声を浴びせていたことも問題に。

 神戸の三木谷浩史会長は先月、X(旧ツイッター)で「神戸のサポーターへ提案があります」と切り出すと、「つねにあいてにたいするリスペクトを忘れず、味方を鼓舞する。神戸はそういう事ができる可能性があるクラブだと思っています。国際的に様々なものを受け入れ、日本を代表するクラブになり、日本の新しい象徴となりましょう。ブーイングはカッコ悪い」とファン・サポーターに呼びかけていた。

 三木谷会長は9日10時時点で、山口や同選手の家族に対する誹謗中傷、横浜FM所属選手に対する野次や罵声に言及していないが、クラブが今後どのような対応を取るのか注目が集まる。