松本山雅FCのOBである田中隼磨氏は、明治安田J3リーグ第8節ツエーゲン金沢戦で1-6と大敗を喫し、霜田正浩監督の解任論、神田文之代表取締役社長の辞任論が湧き起こる中、昨年12月に同クラブのエグゼクティブアドバイザー(EA)を辞任した理由を公表。同氏のSNS投稿に対して、松本OBの高崎寛之氏が反応しているほか、一部SNSユーザーの意見に不満を覗かせている。
田中氏は2014シーズンから9年間にわたり松本でプレー。2022シーズン限りで現役引退した後も、EAとしてクラブに残っていたが、わずか1年で同職を辞任している。
そんな田中氏は、金沢戦後にX(旧ツイッター)で「松本山雅に反町康治さんや田中隼磨さんが戻ってきてほしい」「山雅は反町さんや隼磨さんがいた頃のようなチームには戻れないのかな?」といった声に対して、「戻れます」と反応。「私と反さんと同じ考えをもち松本の流儀がどういうことなのかを理解して言動できる人間がいなければいけません。松本山雅ファン、サポーターのみんながどうして応援、後押ししてくれているのかをピッチ内外で示さなければ戻れません」と私見を述べていた。
また8日にはXで「本当のことをSNSで話すべきか非常に悩みましたが、きちんと説明することが皆様に対しての誠意、そして今後の山雅がより良い方向に進んで欲しいという希望を持ち、今回皆さまに対し説明することを決意しました」と切り出すと、EA辞任の理由を以下のように説明している。
「2023年12月23日に行われたサポーターミーティングで、私がクラブを辞めた経緯についてクラブ側が説明を行いました。内容は『コーチが試合後、サポーターに対して失礼なことを言ったことに対し、ダメなものはダメという認識はクラブも田中氏も同じだった。そのコーチに対して11月に厳重注意をした』と言うものです。しかし、この説明は私がクラブから聞いたこと、話したこととは全く違います」
「私はクラブに対し、何度も訂正をお願いしてきましたが、クラブは訂正に応じてくれませんでした。私は、問題になったコーチの発言はファン、サポーターに対してのものでありダメな暴言である、間違っていると感じ、12月7日クラブと話し合いの場を持ちました。その時のクラブの回答は、『問題の発言はファン、サポーターに対してのものではない、中に向けて発したことだから、逆にどう処分したら良いか教えてよ。処分なんてできない』というものでした」
「私は『クラブとしてきちんとした処分をしないとその人の為にもならない、クラブの為にもならないのでしっかり教育をして欲しい』と何度も繰り返し伝えました。状況は違いますが、以前山雅のアカデミー選手がアカデミーコーチに対し、今回厳重注意を受けたトップチームのコーチと同じ発言をした際、クラブはそのアカデミー選手に対し、厳重注意ではなく退会勧告を言い渡しました」
「トップチームのコーチには厳重注意に留まり、未来あるアカデミー選手には退会勧告という現状に憤りを感じてなりません。人によって処分を変えてしまえば、整合性がなくなり、クラブの規律も乱れてしまうということもずっと伝えてきました。私はこのコーチを辞めさせて欲しいとは一切言っておりません。そのコーチのため、クラブの為にもきちんとした処分をしたほうが良いということを伝えました」
「しかし、クラブは動いてくれなかった為、私はクラブを辞める決意をしました。辞めた理由は他にもまだありますが、このことが辞めるきっかけになった理由、経緯です。ところが、突然サポーターミーティングにおいて『コーチがファン、サポーターに向けて失礼なことを言った、11月に厳重注意処分をしていた、ダメなものはダメをいう認識はクラブも彼も同じだった……』など全く違う説明がされていて大変驚きました。ダメなものはダメと言ったのは私で、クラブではありません」
この田中氏の投稿に対して、高崎氏は「隼さん。こんな理由で山雅を離れてどこをどう変えれると思ってEAに就任したんですか?大切なのは何年かかっても変わるまで言い続ける事、やり続ける事なんじゃないんですか?」と訴えると、「山雅のファン、サポーターの事を本気で思うなら今の仕事全部辞めて山雅一本で内部から変えてください!僕も力になりますので」と、クラブ改革への協力を約束。
一部から「一年いて何もできて無いなら隼磨さんが身を引くしかないと考えたと思う。クラブにいた人と外に出た人では見ていることも違う」といった指摘を受けると、「外に出た人? 山雅の為にどんだけ残りたいと懇願したか。 適当な事いうな!」と苛立ちを見せるとともに、自身が松本を離れた背景にも触れている。
田中氏のSNS投稿により、ファン・サポーターに嘘の説明をしていた可能性が浮上している松本。高崎氏も同クラブに対して特別な思いを抱いているが、田中氏に対するメッセージ内容を巡って、ネット上では賛否両論が飛び交っている。