日本各地から取り寄せたご当地インスタントラーメンを食し、旅行気分を味わおうというこの企画。前回までは特別編として激辛王決定戦を行なっていたが、今回からは通常版を再スタート。それでは早速、千葉のご当地インスタントラーメン2品をレビューしよう。
本場北海道の味わいを超える実力派味噌ラーメン
1杯目にいただいのは、千葉県松戸で本場を超える札幌ラーメンとして人気を博す、らあめん美春監修のこちら。であれば、「札幌のご当地ラーメンでは?」という声も聞こえてきそうだが、千葉を代表する有名店なので問題なし。作り方は通常通り、麺を茹でた鍋に濃縮スープを入れると完成する。麺の茹で時間が7分とかなり長く、スープの小袋がズシリと重いのも特徴だ。味噌のいい香りが漂いかなり美味そうだが、さてお味の方はどうか。
スープからズズズイといただくと、「おう! 芳醇!」。味噌のマイルドながら濃厚な旨みが鼻を抜ける。原材料には記されていないが、動物系の旨みも感じるから不思議だ。次に麺をズルズルっといただくと、さすがゆで時間7分の強者、中太丸麺のモチモチした食感がクオリティ高く、濃厚味噌との相性もバッチリだ。これ、好きなヤツっす。では、その総評。
総評
ご当地感★★☆☆☆
汁の個性★★★★☆
麺の個性★★★★☆
お土産度★★★☆☆
合計13ポイント
スープは珍しいくらいの濃厚味噌だし、麺も太麺で特徴的。ラーメンとしての評価は高いが、やはり千葉県のご当地食品としてのパワーはそれほど高くなく、それに引っ張られる形でお土産度も伸び悩んだ。濃厚味噌ファンにはたまらない味わいなので、ぜひ本店とともにチェックしていただきたい。
パッケージから不思議な佇まいのご当地焼きそば
お次は、この企画始まって以来の焼きそば。「アラビアン焼きそば」は、1967年に登場し、千葉県北部から茨城県南部を中心に売れ行きを伸ばしたことから、いつしか千葉のご当地メニューとして扱われることが多くなったらしい。作り方は、通常のインスタント焼きそば同様、フライパンにお湯を入れて麺を柔らかくし、そっとお湯をだけを捨ててソースをかければ完成。若い人はカップ焼きそばの方がなじみがあるかもしれないが、おじさん世代には、かつてよくいただいた焼きそばの定番スタイルだ。
当然、スープはないので、麺からズルズルといただいてみると、「うん、普通に美味い! でも普通!」。きっと子どもからお年寄りまで、普通に美味いといいそうなくらい圧倒的普通。インスタント焼きそばらしい、若干モッタリとした麺に濃からず薄からずのソースが絡みつき、さらに青のりの香りが鼻をくすぐって、ほら普通。でも普通でいい。普通最高。しかし総評は。
総評
ご当地感 ★★☆☆☆
ソースの個性★☆☆☆☆
麺の個性 ★☆☆☆☆
お土産度 ★★★☆☆
合計7ポイント
なかなか厳しい結果。普通最高、というのは間違っていないけど、個性の評価となると麺もソース(通常はスープの個性だが、焼きそばなのでソースとした)も、やはり星は伸び悩んだ。さらに千葉のご当地としての特徴も特に感じられず、こちらも低ポイント。いい意味でのチープさが逆にウケる可能性があることから、お土産度は星三つだが、合計7点と過去最低クラスの点数となってしまった。ごめんなさい、ほんと普通に美味いんですけど。