連続殺人というと女や子供を狙う事件が多いが、南米・ブラジルには自らが「悪人」とみなした者ばかりを殺害した異色のシリアルキラーが存在する。彼の名はペドロ・ロドリゲス・フィリオ、現地では「ペドリーニョ・マタドール」の異名で広く知られている。

悪党ばかりを標的にした異色のシリアルキラー! ブラジルの“闘牛死”と呼ばれたペドロ・ロドリゲス・フィリオが最凶に異端すぎる!
(画像=1973年ごろのフィリオ。画像は「Criminal Mind wiki」より引用,『TOCANA』より 引用)

■14歳で最初の殺人

 ペドロ・ロドリゲス・フィリオは1954年7月17日、ブラジル南東部にあるミナスジェライス州サンタリタ・ド・サプカイの農場に生まれた。フィリオは生まれつき頭を負傷していたというが、その原因は父親による妊娠中の母親への暴力であった。

 フィリオが初めて殺人の衝動を抱いたのは13歳のころだという。理由や詳細は不明だが、彼はいとこをサトウキビの圧搾機に押し付け、瀕死の重症を負わせたとされる。

 最初の殺人は14歳のときだった。学校の警備員をしていたフィリオの父親が学食の食べ物を盗んだとして解雇された。しかしこれは冤罪であり、真犯人は父の同僚であった。フィリオは罪をなすり付けた父の同僚と、ミナスジェライス州アルフェナスの副市長をショットガンで撃って殺害した。

■10代にして20人以上を殺害

 殺人犯となったフィリオはサンパウロ州モジ・ダス・クルーゼスへと逃亡し、窃盗を繰り返して暮らしていた。マリアという女性と恋仲になって一緒に暮らしていたが、フィリオが薬物の売人を殺害した報復に、彼女はギャングに殺害されてしまう。フィリオはいったん逃亡して身を隠したが、一方では恋人の復讐を誓い行動を始めた。関係者らを拷問して情報を聞き出し、仲間と共にギャングたちの結婚式を襲撃して7人を殺害、16人を負傷させた。この時点でフィリオはまだ18歳にもなっていなかった。