見過ごされてきた木材に光をあて、ヴィンテージになりうるクオリティを追求する家具ブランド「BEFORE VINTAGE FURNITURE」。

同ブランドは、4月16日(火)~4月21日(土)の期間、イタリア・ミラノで開催する世界最大規模の家具見本市・ミラノサローネ/ミラノデザインウィーク2024に出展、世界デビューを果たす。

見過ごされてきた木材を用いて優秀な家具を創る

ミラノサローネ2024にて、世界デビューを果たす「BEFORE VINTAGE FURNITURE」。昨年誕生した同社は、将来ヴィンテージになりうるほどのクオリティを追求するモノ創りを行う日本の家具ブランドだ。

真に価値のある家具とは、激しく変化する時の流れに耐え、新品より10年後、10年後よりも100年後と、時を重ねるに連れさらに価値が生じる。そんな家具の理想を追求し、熟練の職人が一つひとつ形にする。

同ブランドの家具が創られるのは北海道の北東部、オホーツクエリアの北見市。この地は、冬はマイナス20度まで下がることも珍しくなく、逆に夏は30度以上の暑さを記録するような地域だ。

暮らしやすいとはお世辞にもいえないこの場所で、かつて暮らしていた北方民族の人々が見出したのが、手に入る自然素材を最大限活かし道具を創ること。

そんな先人たちの創意工夫に敬意を払う「BEFORE VINTAGE FURNITURE」が考えたのは、価値がないとされた木材から家具を生み出し、そこに美しさを再定義することだった。

同ブランドは、市流れの木材に着目。市場において値段が付かず、細かく砕かれてチップになったり、燃料として燃やされたりする木材が数多く存在する。それらを独自ルートで仕入れ、家具として命を吹き込み、高品質でリーズナブルな家具を実現した。

しかし、いくら木を無駄にせず、環境に良い家具だとしても、すぐに壊れたり、飽きがくるデザインでは意味がない。

そのため「BEFORE VINTAGE FURNITURE」は、高い耐久性とさまざまな生活に馴染む普遍的なデザインを追求。決して斬新な造形ではないが、昔から存在していたかのような佇まいの家具。そんなイメージをデザインに落とし込んでいる。

ワインのように年を重ねるごとに価値を増す家具

「BEFORE VINTAGE FURNITURE」が、今回のミラノサローネへ出展するのは、椅子・テーブル・チェスト・デスク・TVボードなど合計17点だ。

#3 Drawers

#3 Drawers

#40 Dining Table

#40 Dining Table

#43 Chair(One armrest/L)

#43 Chair(One armrest/L)

同ブランドの全ての商品には「#3」や「#15」のようにナンバーがついている。これは、同じモデルであっても、使用する木材の性質上、一つとして同じものが存在しないことを意味する。

そのため、それぞれの家具が、唯一無二の証としてナンバリングを施しているのだ。

そして、年式・家具の種類・デザイン・サイズ・樹種・販売時の価格・購入者・修理履歴などのさまざまな情報が各ナンバーと紐づけて記録されている。

こうすることで、所有者が不要になった家具を「BEFORE VINTAGE FURNITURE」が買い取る場合、希少性や製造からの経過年数などを加味して、購入時の金額よりも高い買い取り金額を提示できる可能性があるという。

それぞれのナンバーがついた家具が、どれほどの価値となっているか。「BEFORE VINTAGE FURNITURE」の生み出す家具は、ワインのようにヴィンテージへと変化する楽しみも併せ持っているといえよう。

BEFORE VINTAGE FURNITURE

(高野晃彰)