養蜂の常識を変えたBeewise

Image Credit:Beewise

BeewiseはロボティクスとAIが組み込まれた人工的な巣箱「BeeHome」を開発・販売している。

BeeHomeは養蜂家の代わりにミツバチの管理を24時間年中無休で行うシステム。AIがコロニーの撮影画像を分析して、コロニー内の問題に適した対策を自動で行うことで、ミツバチを病気や害虫から守る(参考)。

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BeeHomeのシステムは全て自動で行われるため、養蜂家の移動や害虫駆除などの作業を90%も削減しながら、蜂蜜の収穫量を50%も増加させることが可能だ。

これまでにも養蜂業界ではハチの巣用の“遠隔検査センサー”といったテクノロジーが普及していたが、その利点はわずかなものだという。

たとえセンサーが問題を特定しても、養蜂家はその問題を解決するために広大な面積の養蜂場へ足を運ばなければならないからだ。

そこでBeewiseの共同創設者兼養蜂家であるEliyah Radzyner氏は「私たちが必要としてることは遠隔検査ではなく、遠隔養蜂だ」と気付き、BeeHomeの開発に至ったとのことだ。

バロアダニ対策に一石を投じるBeeHome4

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2020年に初めて発売されたBeeHomeは年々進化しており、2023年に発売されたBeeHome4では、バロアダニを自動で撃退する熱処理機能が搭載されている。

熱処理は化学薬品を使用せずに低コストの駆除が可能だが、コロニーに対して一つずつ行う必要がある。何千もの巣箱を持っている商用の養蜂家の場合は莫大な作業時間が求められるため、バロアダニの駆除に用いることが難しかった。

しかしBeeHome4はセンサーとAIによって自動で正確な温度と時間で熱を加えられるため、商用の養蜂家でも熱処理によるバロアダニの駆除が可能である。

このBeeHome4のバロアダニ対策は画期的であり世界中から評価されている。

たとえば2000万人の読者がいるアメリカのニュース雑誌TIMEのTHE BEST INVENTIONS OF 2023や何千人もの訪問者や農業界の専門家が集うWorld Ag Expo 2023の新製品Top10に選出されており、世界中から高い評価を得ていることがうかがえる。

今後もBeewiseはBeeHomeの改良に注力し続け、ユーザーからの意見をもとに新たなモデルを市場に投入する方針だ。

参考・引用元:Beewise

(文・MOMMA)