インドの補聴器普及率を高めるという創業者の決意

earKART社は、Rohit Misra氏が2021年に設立したスタートアップだ。Misra氏は、米国に本社を置く世界的聴覚補助器メーカーStarkey Hearing Technologies傘下のStarkey Indiaでマネージングディレクターを務めた人物。聴覚障害や偏見に苦しむ人々の状況を変えるために同社を立ち上げた。

インドで補聴器を必要とする1億2千万人のうち、実際に購入できるのは60万人。わずか0.05%という補聴器の普及率を3年以内に1%にまで向上させることを目指している。

Misra氏が起業背景やパートナーとのシナジー効果、自社の成長速度について語る様子は、同社公式YouTubeチャンネルの動画で視聴できる。

動画の中で同氏は、当初は5ルピーだった1ヵ月の収益がわずか12ヵ月で5000万ルピーにまで拡大したと述べ、自社の成長速度を「驚異的」と表現。これに満足することなく、2024年にはこの額が10倍となるだろうと語った。

また、起業時は従業員数5人だった同社だが、複数の部署と社内コールセンターを設けるまでに成長。2023年5月にAgility Venturesが主導するプレシリーズAラウンドで資金を調達(調達額は非公開)した。

将来的にはインド国内だけでなく国際市場を目指すと語るMisra氏。WHOによると世界の人口の14~16%が難聴を患っているにもかかわらず補聴器使用率は5%以下というから、インド国外の潜在マーケットにも莫大なビジネスチャンスがあることは確かだ。

引用元:EarKart

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Mickey Ohtsuki
危険と言われる南ア・ヨハネスブルグを拠点にアフリカ南部を飛び回って帰国後、199x年代から産業翻訳のフリーランスを始め、2000年からテクニカルライター/Webライター業も開始。世界各地のスタートアップには、ちっぽけな探求者たちが巨大な既存勢力と戦うロマンがある。『なんでも評点』筆者。
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