セルジーニョ 写真:Getty Images

 かつて鹿島アントラーズに在籍していたブラジル人MFセルジーニョは、2020シーズンから3年以上にわたり中国1部・長春亜泰でプレー。主力選手として活躍しているだけに、現地では同選手の中国帰化を期待する声が湧き起こっている。

 現在29歳のセルジーニョは、2018年7月に当時ブラジル1部のサントスから鹿島へ完全移籍。来日1年目でいきなりAFCチャンピオンズリーグ(ACL)でゴールを量産するなど、ACL優勝に貢献。2019シーズンもJ1リーグで2桁ゴールをマークすると、2020年1月に長春へ完全移籍した。

 中国移籍1年目の2020シーズンに、リーグ戦15試合中14試合のスタメン出場で3ゴール6アシストを挙げ、1部昇格に貢献したセルジーニョ。2021年に長期離脱を余儀なくされたが、復帰後も中心選手として活躍。Jリーグ複数クラブからの関心や母国復帰報道が飛び交う中、昨年3月には長春と契約延長。新たに3年契約を結んでいるが、今季はここまでコンディション不良により公式戦での出場がない。

 中国『163新聞』は今月30日、中国1部・滄州所属のコンゴ民主共和国人FWオスカル・マリトゥが帰化する可能性を伝えた上で、「セルジーニョも中国帰化に値するだけに外国人選手だ。彼は長らく、長春のキャプテンを務めているが、攻撃的MFとしてのパス精度や視野の広さを備えている点で、オスカルよりも間違いなく中国代表をサポートできる」と評価。

 「セルジーニョ本人は来年1月に中国での5年目を迎えるため、帰化の条件を満たすことになる。彼は中国国内旅行の様子をSNSにアップするなど、中国での生活を気に入っている」と選手本人の気持ちを推察している。

 ただ一方で、中国帰化への問題点も指摘。「今季ここまで公式戦でプレーしていない」と綴るなど、怪我の多さを指摘した上で、「セルジーニョの帰化に必要な費用を、長春が単独で負担することは困難だ。中国サッカー協会のサポートが必要になるだろう」と、クラブの資金力にも触れた。

 AFCアジアカップの舞台でグループステージ敗退という結果に終わった一方、北中米W杯アジア最終予選の可能性を残している中国代表。現地で代表チームのレベル低下が叫ばれる中、元Jリーガーの今後にも注目が集まっている。