「現段階ではなんともいえない」

 金融業界関係者はいう。

「現段階ではなんともいえない。小林製薬は2月9日に23年12月期決算が増収増益(純利益ベース)、今年度も増収増益見通しだと発表しているので、下げ要素は薄い。ただ、理由はよくわからないが、同社と同じ生活用品メーカーである花王やP&Gなども2月7日あたりから株価が右肩下がりになっており(その後は持ち直し)、同業界の株価に影響を与える何らかの材料がこの時期に生じていたのかもしれない。

 また、これだけ大幅な下落は、かなりの量の売却がないと生じないため、特定の個人によるインサイダー取引というよりは、生活用品市場全体に一定のインパクトとなるうような動きが生じ、それによって下がったと考えるほうが自然」

 別の金融業界関係者はいう。

「社内では対応について協議が始まり研究部門に調査の指示が出ており、会社としての対応が本格的に始まっていたので、健康被害の件を知り得た社員はそれなりの数に上るはず。加えて、2月上旬の時点では病院や摂取した本人から同社に報告が入っていたので、その周辺の人、家族を含めて社外にも情報を把握していた人はいた。こうした社内外の人から情報が口伝いに広まって、同社の株を大量保有していた人の耳に入り売却がなされたという流れは考えられなくはないが、可能性としては高いとはいえないだろう」

(文=Business Journal編集部)

提供元・Business Journal

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