環境問題もそうで、日本で再生可能エネルギーを普及させろと叫ぶ人ほど、現代文明の恩恵を無視して、荒唐無稽な夢物語に現を抜かしている。日本のような先進国で再生可能エネルギーだけで電気を賄うことは不可能だと知っているのに、ファッションとして環境問題を訴えている。つまり、環境問題に取り組んでいる自分をかっこいいと思っているのだ。
昭和30年代以後、日本は経済の高度成長と引き換えに、環境破壊を繰り返してきた。その反省の下、法律が整備され、今の時代、廃液を垂れ流したり産業廃棄物をその辺に捨てたりなどすると、厳しい方の裁きを受けることになる。つまり、日本は世界でも稀な、経済成長と環境保全を両立させてきた稀有な国なのだが、その事実を無視して、あたかも日本が環境破壊の最前線にいるかのような暴論を吐く。
本当に地球環境が大切だと言うなら、環境対策を無視して工業廃水を垂れ流す中国のような国を批判すればいいと思うのだが、何故か、それはやらない。
例えば、東シナ海や南シナ海で深刻な海洋プラスチックゴミを調べると、そのほとんどが中国のゴミであると分かっているのに、何故か批判しない。CO2排出量も中国が世界一の排出量なのに、何故か中国を批判しない。
環境問題や人権問題を言う人々に、常について回るのが、このような中国批判をしない姿勢だ。これは不思議でしようがない。人権問題で言うなら、中国ほど近隣諸国も含め人権弾圧している国もない。チベットもウイグルもモンゴルもネパールも本当は中国ではないのに、執拗にこれらの国に対して脅しをかけ漢民族を移住させチャイナタウンを作り中国への同化政策を進めようとしている。
ウイグル人女性は世界でも屈指の美人なのだが、漢民族と同化してしまったら、美しいウイグル人はいなくなってしまうだろう。
話を元に戻せば、日本国内で人権問題や差別や反戦、反核を訴える人に共通しているのが、イデオロギー化した理想主義だ。ゴールを先に決めて、そこに向かうのである。つまり共産主義と同じだ。共産主義の本質は、すべての財産を国有化することにある。すべての財産とは、個人の内面も含まれている。それらを国家が統制することで平等な社会、労働者が幸福を享受できるというまやかしだが、その考え方と日本国内で理想主義を掲げる人々は、その道程において共通している。
理想を追い求めるから、なんだか自分は良いことを掲げ、良いことに向かっていると勘違いしてしまう。そして、良いことに向かっているのだから、少々のことには目をつぶれと考えているのだ。
そして、共産主義と共通しているのがまさにこの一点で、良いことをしていると言う勘違いが正義感を生み、その歪んだ正義感が、他者への批判となっている。
しかもその間違った正義感に立脚し、自分たちは功利主義だと勘違いしてるから、余計にややこしい。良かれと思ってやってるから始末に負えないのだ。そして、両論で物事を見ようとしない。偏っている。
こういう人に限って、災害の時に動物を助ける動画を見て涙したり、ユニセフの災害地や戦地の募金を行ったりしている。つまり、人間的に悪い人ではない。
では、どうして思考が偏るのだろう?
一つは正義感。一つは誤った知識。一つは学校教育。一つはマスコミの偏向報道。
そして、こういう人に限って、政権は悪だと考えている。権力の座にいる人間が、真っ当で金に綺麗な筈がないと信じ込んでいる。日本の議会制民主主義において、特権階級など存在しないのだが、あたかも日本の政権与党の政治家はこの日本を牛耳り、甘い汁を啜っていると考えるようだ。
それなら、貧困ビジネスをやっている山本太郎の方が、よほど悪人だと思うし、民主主義というものが存在しない日本共産党や参政党のような政党の方が遥かに悪だと思うが、政権批判をしたい人は、そういうところは見えていないようだ。
この間違ったものの見方が、時の政権が行うことを是々非々で見ることが出来ない政治家や有権者やマスコミを作り出す。日本では個人の権利が重視され思想信条と言論の自由が存在する。だから、余計にエコーチェンバー現象が起きて、宗教の原理主義のような状態になるのだ。
前回の拙稿で触れたように、これは何も野党に限ったことではない。政権与党は、上手くいって当たり前で、安倍政権のように強固な支持基盤を持ちえた政権の方が珍しい。そこには安倍晋三という稀代の政治家の資質もあったろうが、やはり時代背景や、諸外国の動きが影響してしまう。
その意味で、岸田政権は数多くのことに結果を出してはいるが、岸田総理の人となりと広報が下手な為に、政権の取り組みや狙いが上手く有権者に伝わっていない。これは菅政権も同様だ。そして自民党内ではこの上手くいかない所を逆手にとる党内政局の側面がある。
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以後、
・内閣改造と解散総選挙
続きはnoteにて(倉沢良弦の「ニュースの裏側」)。
提供元・アゴラ 言論プラットフォーム
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