松井大輔氏(Y.S.C.C.横浜在籍時) 写真:Getty Images

 京都パープルサンガ(現京都サンガ)、ジュビロ磐田、Y.S.C.C.横浜などでプレーした松井大輔氏は、今年2月に現役引退を表明。日本代表でチームメイトだった遠藤保仁氏(現G大阪コーチ)と対談しているが、両者ともに酷暑下でプレーすることの厳しさを引退理由のひとつに挙げている。

 地球温暖化の影響を受けている日本サッカー界。現行の春秋制では7,8月にもJリーグ公式戦が開催されているが、元日本代表DF吉田麻也(MLSロサンゼルス・ギャラクシー)は昨年、内田篤人氏とJリーグ秋春制移行に関して意見を交わす際に「この暑さで試合をするのは、もはや生命の危機を感じる。無理。サッカー面で言うと、パフォーマンスがとか強度がとか言うけど、シンプルに危ない。これは雪とか以前の問題」と提言。Jリーグは昨年12月、2026年からの秋春制へ移行することを公式発表している。

 この酷暑でのJリーグ公式戦開催は、日本代表を支えたレジェンドたちにも影響を与えた。インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月25日に配信開始の「遠藤保仁 特別番組 ~走り続けた26年の記憶~」では、遠藤氏と松井氏の対談が収録されている。

 遠藤氏が現役引退を決断した背景に迫ろうとした松井氏は、「何歳くらいが身体の限界だったか?」と訊く。これに遠藤氏は「正直言うと、40代から。30代までは全然大丈夫だった。夏場がもう無理だなと思いながら、2年くらい粘った」と、酷暑下でのプレーに言及。松井氏が「気候がね…もう40代になった瞬間に『無理だな』って思いましたね」と頷くと、遠藤氏も「(身体に)くるよね」と言葉を返している。

 夏場の暑さに苦しみながらも、44歳まで現役を続けた遠藤氏。42歳までピッチに立った松井氏から「現役を長く続けられた要因」を訊かれると、「ずっとはサッカーのことを考えていないからじゃないかな。『やる時はやる』といったメリハリじゃない」と分析。

 「身体のケアはほとんどやっていない。ケアする時間がもったいない。帰って風呂入って寝たら何とかなる。(現役生活で)肉離れはない。内側(靭帯)を怪我しても無理やり試合に出ていた。痛みに強いと思う。『痛くても8割でプレーするわ』みたいな」と、怪我をおしてプレーした過去を振り返っている。

 なお、Jリーグ秋春制移行には、日本代表OBの前園真聖氏も熱視線を送っている。同氏は今年1月17日に自身のYouTubeチャンネル『おじさんだけど、遊んでもいいですか?』を更新。「雪のこともあるけど、Jリーグの中では夏のパフォーマンスがすごく落ちていることが問題で、そのようなデータがあったみたい。強いチームが急失速するというようなこともあって、少し(リーグ戦の開催時期を)ずらすとは言っている。ただ8月も暑い」と、秋春制のメリットを強調していた。