サンフレッチェ広島・日本代表OBの佐藤寿人氏が、今月1日に行われた明治安田J1リーグ第2節の横浜F・マリノス対アビスパ福岡を回顧。GKポープ・ウィリアム(横浜FM)に対するFWウェリントン(福岡)の接触シーンにおけるノーファウル判定に言及するとともに、ウェリントンのプレーが危険だと主張している。
問題のシーンは、福岡が1-0のリードで迎えた88分。福岡はGK永石拓海のパントキックからチャンスを演出。ボールが横浜FMの最終ラインとペナルティエリアの間に転がると、ウェリントンが裏に抜け出す。これを見て、ポープはペナルティエリアから飛び出して、右足でクリア。先にボールに触れたが、残った右足がウェリントンの腹部に直撃。ウェリントンがその場で倒れ込んだが、主審はファウルを取らなかった。
ネット上で「仕方ない接触」「ノーファウルで妥当」という意見が挙がる一方、「ウェリントンが蹴られた」「なぜノーファウルなのか?」といった疑問も見られるなど、ファン・サポーターの間でノーファウル判定を巡る見解が分かれている。
それだけに、当該シーンはインターネット動画配信サービス『DAZN』で今月26日配信開始の『シンレポ -Jリーグ審判レポート-』でも話題に。ゲスト出演の佐藤氏は「普通のフットボールコンタクトの一部」と主張した上で、ストライカーの目線からウェリントンのプレーの危険性を訴えた。
「ポープが先にクリアしている。ストライカー側がボールを先に触れない時は、止まらないといけない。突っ込むということは、GKを怪我させるということにも繋がる。足を上げてクリアするのが、ポープに最大限可能なプレー。攻撃側の選手も気を付けなければならないシーンかなと思う」
この佐藤氏のコメントには、日本サッカー協会(JFA)理事・審判委員会委員長の扇谷健司氏も納得。「一連のプレーの流れ」としてノーファウルが妥当と見解を示した上で、「選手も色々な配慮をされながらプレーしていると思う。ウェリントンはチャンスがあるから突っ込んでいるけど、佐藤さんが仰ったような判断もされているんだなと参考になる」と頷いた。