深海は未知のモンスターだらけのようです。

研究者いわく、現在見つかっている海洋生物は予想される全体の10%にも満たず、さらに海底の80%以上はいまだにマッピングされていないという。

つまり、海の世界は地球上で最も謎に満ちた場所の一つといえます。

以前には、チリ沖の深海探査の末に、新種と見られる海洋生物が一挙に100種以上も見つかったというニュースを報じました。

そして今回、ニュージーランド沖での深海探査で新たに100種以上の未知なる生物が発見されたとのことです。

さて、どんな珍妙な生物が見つかったのでしょうか?

ニュージーランド沖で新たに深海探査

調査船タンガロア号(Tangaroa)に乗って調査
調査船タンガロア号(Tangaroa)に乗って調査 / Credit: Finds from the Bounty Trough I Ocean Census(youtube, 2024)

今回の海洋探査は、日本財団と英国のネクトン財団によって設立された海洋生物探査プロジェクト「オーシャン・センサス(Ocean Census)」の主導で行われました。

オーシャン・センサスは、汚染・乱獲・気候変動などで未知の海洋生物が失われる前に、10年以内で10万種の新種を記録するという目標を掲げています。

その一環である本調査は今年2月に、ニュージーランド南東沖に広がる海底地形「バウンティトラフ(Bounty Trough)」を対象に3週間の期間で実施されました。

バウンティトラフは長さ約800キロに及び、地質学的には注目されていましたが、海洋生物の調査はほとんど行われていません。

バウンティ・トラフを視覚的に3Dマッピングしたもの
バウンティ・トラフを視覚的に3Dマッピングしたもの / Credit: Finds from the Bounty Trough I Ocean Census(youtube, 2024)

本調査にはオーシャン・センサスの研究員のほか、ニュージーランド国立大気・水圏研究所(NIWA)、ニュージーランド国立博物館テ・パパ・トンガレワ(Te Papa)のメンバーを含む計21名が参加し、NIWAの調査船タンガロア号に乗ってバウンティトラフへ向かいました。

チームはバウンティトラフの3Dマッピング(上図)を作成した後、3週間の間に延べ1800近くの生物サンプルを捕獲しています。

一部の標本は水深4800メートルという深さから回収されました。

では、その未知の生物たちを一挙にズラリと見てみましょう。