鬼木体制8年目、川崎の序盤戦

J1最長となる8年目を迎えた鬼木監督率いる川崎も、難しい船出となっている。昨季はリーグ戦8位に留まったものの、天皇杯では優勝。終盤戦で本来の強さを発揮し、今季の復権が期待された。

ところが、開幕前に迎えたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)ラウンド16(2月20日)では中国の山東泰山足球倶楽部を相手に2-4で敗退。開幕節(2月24日)では相手のミスもあり2-1の逆転勝ちを収めたものの、湘南ベルマーレとの「神奈川ダービー」で先制を許す紙一重の試合だった。

さらに、第2節からは3連敗。いずれも1点差と僅差のゲームではあるが、昨季J2で2位のジュビロ磐田(3月1日4-5)、昨季13位の京都サンガ(3月9日0-1)、昨季5位の鹿島アントラーズ(3月17日1-2)を相手に全て敗れていては、優勝という目標は果たせそうもない。

川崎フロンターレ MF脇坂泰斗 写真:Getty Images

DFラインが安定せず、失点が増加

今季はボールを握り正確にパスを回すスタイルの根幹をなすDFラインが安定せず、失点が増加している川崎。開幕から4戦で9失点は、磐田と並んで最多タイの数字であり、現在首位の町田ゼルビアが2失点、2位のサンフレッチェ広島が1失点なのとは対照的だ。

鬼木監督は現状を打開すべく、さまざまな選手を本職ではないポジションを含め起用するなど手を打ってはいる。また、緻密なサッカーであるだけに新加入選手が多いとなると、時間がかかるのは間違いない。

ただし、他と比べ戦力で劣るチームではない。むしろMF脇坂泰斗やMF橘田健人、FWエリソン(負傷で第3、4節は欠場)などの個を有しているだけに、成績のV字回復は急務だ。これまでの7年でリーグ戦を4回制し、絶大な信頼を得た鬼木体制は8年目にして最大の危機を迎えている。