目次

  1. 【東京・神田】 みますや
  2. 【東京・町田】 柿島屋
  3. 【東京・森下】 山利喜
  4. 【東京・十条】 斎藤酒場
  5. 編集部からひと言

震災や戦災、バブルやコロナ禍といった様々な変化を乗り越え、いまも続いている酒場があります。長く続く店は、愛され続けてきた理由がある。それを探しに、タイムカプセルのような老舗酒場の暖簾をくぐってみませんか?

今回ご紹介する店は、酒場に興味がある方ならぜひ訪ねて欲しい名店中の名店です。

【コーディネーター:塩見なゆ】
年間2,000軒もの“はしご酒”を楽しむ酒場案内人。杉並区で生まれ、幼少期から作家の両親に連れられて都内の酒場を楽しんできた異色の背景を持つ。東京を中心に北から南まで酒場を訪ね歩き、お店の魅力を丁寧に紹介する。

【東京・神田】 みますや

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

「みますや」は東京で最も古い居酒屋のひとつで、1905年の創業。銅張りの建物は、関東大震災後に建てられ、昭和初期の風情を感じさせます。店内は広々としており、拡張された部分は違った作りになっているため、座る場所によって異なる雰囲気が味わえます。座敷でゆったり宴会をするのもよし、相席のテーブル席で活気を感じて飲むのもよし。

日替わりのお通しとして出されたおからは、しっとりと甘みがあり、お酒が進みます。肉豆腐も看板メニューのひとつで、初代が考案したすき焼き風の牛煮込みはちょっと甘めで、固めのお豆腐との相性が抜群です。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

また、ここの穴子も絶品で、プリッとした身が箸の通りがよく、口の中で広がる食感がたまらない美味しさです。江戸の味を大衆酒場価格で楽しめる「みますや」は、酒場好きなら一度は訪ねてほしい一軒です。

住所:東京都千代田区神田司町2-15-2
アクセス:JR「神田駅」徒歩8分

【東京・町田】 柿島屋

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

柿島屋は、町田で最も古くから続く飲食店であり、創業は1884年。物流の主役は荷馬車で馬喰の業者が活躍していた時代です。柿島屋は浜街道・神奈川往還の馬喰でしたが、物流が鉄道に移り、馬肉料理店に転身しました。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

現在でも、柿島屋の料理の8割以上が馬肉を使った料理であり、変わらないメニューの肉皿や肉そば、馬刺しが定番です。肉皿は馬肉の煮込みで、こんにゃく、ごぼう、ねぎが控えめに入り、主役の馬肉は大量に盛られます。馬肉は国産で、山梨で育った4歳以下のメスの馬を一頭買いしているそうです。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

大箱で美味しい料理を独り占めする楽しさもありますが、気心の知れた間柄の飲み友達や家族とわいわい過ごす楽しさもあります。また、夏でも人気の肉なべも必食!

住所:東京都町田市原町田6-19-9 アーバン柿島2-1F
アクセス:JR・小田急電鉄「町田駅」徒歩約3分

【東京・森下】 山利喜

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)
酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

「山利喜」は、大正時代から続く東京森下の老舗酒場。戦後の復興めしとして煮込みを出したところ評判となり、以来名物となりました。店舗は2009年に建てられ、地上5階建ての建物になりましたが、店内の雰囲気は老舗酒場のムードがそのまま残っています。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

おすすめは、煮込み鍋と焼き台を目の前にしたカウンターの一人飲み。名物の煮込みは、セロリ、パセリ、ローリエのブーケガルニが出汁になり、赤ワインも入っています。欧州のシチューに近い風味があり、日本の牛モツ煮込みとも異なる味わいです。野菜や豆腐はなく、ギアラ、シロ、そして琥珀色に染まった玉子が入っています。ビールや酎ハイとの相性が良いだけでなく、ワインとの相性も抜群です。

住所:東京都江東区森下2-18-8
アクセス:都営地下鉄「森下駅」徒歩すぐ

【東京・十条】 斎藤酒場

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

「斎藤酒場」は1928年に酒販店として創業しました。戦後、二代目が酒場に業態を変更し、現在は三代目の女将さんが店を切り盛りされています。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

この酒場の魅力は、なんといっても“建物”。大正末期の建物で、築100年を越える天井の高さはどこか銭湯のような雰囲気を感じさせます。長い年月、人々が集い続けたことで飴色に染まった空間にかかる黒い短冊札が実にかっこいいです。

酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)
酒場案内人が選ぶ「戦前から愛される居酒屋」|都内おすすめの4店とは?
(画像=『男の隠れ家デジタル』より 引用)

ここで味わえる名物は、国産大豆100%のヤッコとうふとポテトサラダ、串かつです。女将さんの丁寧な接客も魅力の一つです。「斎藤酒場」は、東京に残る価値の高い酒場遺産ではないでしょうか。この素晴らしい酒場が、いつまでも変わらずに残り続けることを願っています。

住所:東京都北区上十条2-30-13
アクセス:JR「十条駅」徒歩すぐ

編集部からひと言

長年愛されてきた味や雰囲気は、その酒場でしか楽しめません。「まだ行ったことがない」という方は、ぜひ塩見さんおすすめのお店を訪ねてみてください。

提供元・男の隠れ家デジタル

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