ひとくちにヨーロッパ家具と言っても、その材質や趣は千差万別だ。インテリアのアクセントにモダンなプライウッド家具はいかがだろうか。
輸入家具を扱うメトロポリタンギャラリー社が、4月18日(木)からイギリスの合板家具メーカー「ISOKON(アイソコン)」の取扱いを開始する。
バウハウスのデザイナーとも縁の深い「ISOKON」
「ISOKON」は1931年にイギリスで設立された合板家具メーカー。美術教育機関「バウハウス」を築き上げたヴァルター・グロピウスさんやマルセル・ブロイヤーさんをはじめとしたデザイナーとの協業によって、数々のモダンで革新的な家具を世に生み出してきた。
創業以来、変わることなく培ってきたディテールへのこだわりと、専門的な技術・伝統にもとづく職人の手作業によって生み出された家具は、世界中で高く評価されている。
今回はプライウッド家具の歴史的名作から、2021年の比較的新しい作品まで4アイテムを発表した。
プライウッド家具の名作「Nesting Table」
1936年にマルセル・ブロイヤーさんによりデザインされた「Nesting Table(ネスティングテーブル)」。11mm厚のバーチ合板の一枚板から裁断・成形され、当時「史上最もシンプルなテーブル」と評されたという。
無垢材に比べ薄くても強度があり、しなやかな造形を可能とするプライウッドの特徴を活かしたミニマルなテーブルは、現在もなお色褪せないモダンデザインの名作とされる。
販売価格はラージ¥94,600(税込)、ミディアム¥94,600(税込)、ペア¥189,200(税込)。
ブランドのアイコン的ブックケース「Penguin Donkey」
「Penguin Donkey(ペンギンドンキー)」(税込¥214,500)は1939年にエゴン・リスさんによりデザインされたストレージラック。
左右の棚と4本の脚がパニア(荷カゴ)を背負うロバのように見えることからドンキーと名付けられ、後にイギリスの出版社、ペンギン社の本がぴったり収まることからペンギンドンキーに改名された。成形合板による曲線が際立つ、アイソコンの象徴的なアイテム。
ミニマルなコーヒーテーブル「T46 Coffee Table」
「T46 Coffee Table(T46 コーヒーテーブル)」(税込¥250,800)は1946年にヘイン・ストーレさんによりデザインされたコーヒーテーブル。デザインから55年を経た2001年にアイソコンが生産権を取得し、初めて製品化された。
7層から成るプライウッドの一枚板を正三角形に裁断し折り曲げてできるフォルムは、薄く軽量ながらも強度があり、プライウッドの特性を活かしたシンプルなデザインが魅力。バーチ、ウォルナット、オークの3つの材種から選べる。
カンチレバー構造のラウンジチェア「Iso-Lounge」
「Iso-Lounge(アイソラウンジ)」(税込¥328,900)は2021年にジャスパー・モリソンさんによりデザインされたカンチレバー構造のラウンジチェア。
スリムで洗練されたシルエットは、アイソコンチームとの協業によりベニヤ層の積層方向や厚さを探求し、素材の特性を最大限に引き出すことから生まれた。
一見シンプルなフォルムの中にプライウッドの技術が集約された比類のない強度、快適性、デザイン性を兼ね備えた革新的な製品。表面の仕上げはオークまたはアッシュの2つの材種から選べる。
いずれも極限まで無駄を排したシンプルな構造と、美しい曲線が同居した名品ばかり。そこにあるだけで存在感を発揮してくれるだろう。
(SAYA)