1972年にフランス・パリで誕生したレストランガイド『ゴ・エ・ミヨ』。「新しい才能の発見」を重視し、新進気鋭のシェフをいち早く見出してきた先見性に定評がある。
その最新版『ゴ・エ・ミヨ 2024』にて「ジョエル・ロブション」エグゼクティブシェフ、関谷健一朗氏が名誉ある「今年のシェフ賞」を受賞した。
日本で全12店舗を展開するジョエル・ロブション
ミシュランレストランの代名詞、ジョエル・ロブション。「料理は愛」という哲学を掲げ、独自の感性から生み出される芸術的かつ独創的な料理は、世界の美食家から「皿の上の芸術」とも讃えられる。
その思想は世界中のジョエル・ロブションへ受け継がれ、日本ではレストラン・カフェ・パティスリー・ブランジュリー・バーなど全12店舗を展開。
恵比寿の「ガストロノミー “ジョエル・ロブション”」「ラ ターブル ドゥ ジョエル・ロブション」のほか、六本木に「ラトリエ ドゥ ジョエル・ロブション」を構える。
3月19日(火)発刊の『ゴ・エ・ミヨ 2024』にて「今年のシェフ賞」を受賞した関谷健一朗氏は、フレンチレストラン「ガストロノミー “ジョエル・ロブション”」のエグゼクティブシェフ(総料理長)。
パリで生まれ、現在は世界15か国で刊行する『ゴ・エ・ミヨ』は、単なる評価本ではなくその国の食文化を掘り下げ、その土地の持つ地域性(テロワール)に注目することで食の「今」を伝えることを使命とする。
レストランやシェフだけでなく、食材の生産者などにも注目して総合的に評価するのが特徴。「今年のシェフ賞」は、調査した店舗の中で、才能を縦横に発揮し、最も斬新で完成度が高く、インパクトのある料理を出した料理人へ贈られる賞だ。
これまでの受賞者の中には1985年のジョエル・ロブション氏など、著名なシェフらが名を連ねている。
ジョエル・ロブションの旗手、関谷健一朗氏
1979年、千葉県に生まれた関谷健一朗氏は専門学校卒業後、ホテル勤務経験を経て2002年に渡仏する。2006年よりパリにあるラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションに勤務。弱冠26歳という若さでロブション氏の推挙によりスーシェフに抜擢される。
2010年には東京・六本木のラトリエ ドゥ ジョエル・ロブションのシェフに着任する。2021年11月にはガストロノミー “ジョエル・ロブション”のエグゼクティブシェフに就任。
2018年には「第52回 <ル・テタンジェ>国際料理賞コンクール インターナショナル(パリ)」にて日本人シェフとして34年ぶりの優勝、2023年には日本人初、料理部門M.O.F.(フランス国家最優秀職人章)を受章するなど国際的に高く評価されている。
関谷氏が料理人のキャリアをスタートしたおよそ25年前、日本にはまだ存在せず、渡仏してから手に取ったという『ゴ・エ・ミヨ』。
雲の上のような存在として憧れていた同書が日本で発刊され、自身が受賞する日が訪れたことに喜びを述べる。
世界でも認められた日本のジョエル・ロブション。関谷氏の一皿を求めてぜひ訪れてみたい。
(SAYA)