光岡自動車が自社の創業55周年を祝うコンセプトモデル「M55コンセプト」を2025年内に市場投入する方向で動き出したと発表。供給可能台数の確保にある程度の見通しがつく
光岡自動車は2024年2月29日、2023年11月に公開した自社の創業55周年を記念するコンセプトモデル「M55コンセプト(エムダブルファイブ コンセプト)」を2025年内に市場投入する方向で動き出したと発表した。
M55コンセプトは、1968年創業の光岡自動車と同じく、55年の人生を歩んだ同世代の人々をメインターゲットに据え、感受性豊かな少年・少女時代に体験した様々な出来事や1970年代の時代感覚をベースに、当時の夢や希望に満ち溢れ、先の未来を変える大きなエネルギーの中、時代を駆け抜けた人々のマインドをクルマとして形にしたことが特徴である。初公開以後は、2023年11月24日から12月16日にかけてMITSUOKA 麻布ショールーム/GALLERY 麻布(東京都港区)にて特別展示会を、また2024年1月12日から1月28日にかけてMITSUOKA 富山ショールーム(富山県富山市)にて特別展示会を実施。麻布では1050組、富山では500組を超える多くの来場者を迎える。さらに、2023年11月16日から2024年1月31日までの期間に公開した特設サイトでは、サイト内に設けた応援メッセージボックスに1300通を超えるM55コンセプトの市販化への要望が届けられた。光岡自動車によると、老若男女問わずこれほど多くの人から直接熱い思いをいただく機会は、初めての経験だったという。
この思いを受け、光岡自動車はM55の供給可能台数の確保に奔走し、その見通しがある程度立ったことから、2025年内に市場投入することを発表した。
改めてM55コンセプトの概要を紹介していこう。
光岡自動車は2シーターオープンスポーツの「ロックスター(Rock Star)」やSUVスタイルの「バディ(Baddy)」など、往年のアメリカンテイストあふれる珠玉のモデルを精力的に市場に放っている。今回発表されたM55コンセプトは、1970年にデビューしたスペシャルティカーの初代ダッジ・チャレンジャーを彷彿とさせるスタイリングを採用。メッキで覆ったブラックグリルと丸型4灯式ヘッドランプを配したフロントマスクに、スロープをつけた前後のバンパー下部、フルワイドなパネルに楕円形のコンビネーションランプを組み込んだリアビューなど、来し方の米国製スペシャルティカーの特徴を最新パーツで見事に再現した。1970年代に流行ったリアウィンドウのルーバーやホワイトレタリングのタイヤなども、見る者を惹きつける。ボディは往時のスペシャルティカーの典型だった2ドアハードトップではなく、4ドアハッチバッククーペで構成した。
インテリアに関しては、鮮やかなライトブルーのレザーに、1970年代に流行ったハトメ加工を施したスペシャルなシートを配備したことがトピック。ヘッドレストには車の象形文字を模した光岡自動車のエンブレムを、シートバックには車名の“MITSUOKA M55 CONCEPT”を刻印する。内装自体は、光岡自動車は明言していないものの、左右に伸びやかに広がるメッシュタイプのインストルメントパネルやスイッチ類およびルーバーの造形などから、ホンダ・シビックをベースとしていることが想定される。ステアリングもシビックと同仕様だが、中央部には“MITSUOKA”ロゴを配した。また、トランスミッションには6速MTを組み込んでいることから、エンジンはL15C型1496cc直列4気筒DOHC16V・VTEC直噴ガソリンターボユニット(182ps/24.5kg・m)の搭載が見込まれる。もし、シビック・タイプR用のパワートレイン(330ps/42.8kg・mを発生するK20C型1995cc直列4気筒DOHC16V・VTEC直噴ガソリンターボユニット)を搭載したら、M55は往年のマッスルカーに匹敵する速さを誇るかもしれない。
なお、光岡自動車は1日でも早くM55の正式な発表・発売がアナウンスできるよう、引き続き鋭意努力していくとコメントしている。
文・大貫直次郎/提供元・CAR and DRIVER
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