日本代表は今月、北中米W杯アジア2次予選で北朝鮮代表と対戦。13年ぶりとなる平壌開催の地上波放送・インターネット配信がないとみられる中、日本代表OBの田中マルクス闘莉王氏が、日本戦の地上波放送について持論を展開。ネット上では、インターネット動画配信サービス『DAZN』への批判がさらに強まっている。
Jリーグや欧州サッカー中継を手掛けるDAZNは、2021年にアジアサッカー連盟(AFC)と2028年までの長期契約を締結。これにより、カタールW杯最終予選のアウェイゲームをはじめ一部の試合を独占配信。カタールW杯本大会出場を決めたオーストラリア戦が地上波で放送されなかったことは記憶に新しい。
また今年1月から2月にかけて行われたAFCアジアカップの日本代表戦も、5試合中3試合を独占生中継。残りの2試合(イラク戦とイラン戦)は地上波(テレビ朝日系)でも放送されたが、いずれも黒星を喫している。
闘莉王氏は19日夜、自身の公式YouTubeチャンネル『闘莉王TV』で「必ず日本代表戦は地上波で放送されるべき!アウェー北朝鮮戦テレビ放送なし危機の森保J…サッカー人気復活に闘莉王提言!」という見出しのもと、自身の見解を披露。
昨年11月のW杯アジア2次予選・シリア戦やアジアカップの一部試合で地上波放送がなかったことについて「有料サービスなどを含めて、どんどんお金が影響しすぎている。放映権の高騰などを含めて、純粋なサッカーが少し邪魔されている」と落胆。地上波放送があったアジアカップ2試合で日本代表が敗れたことについては「流れが悪いとしか思えない」と語った。
すると、YouTubeのコメント欄では「北朝鮮どうのこうのより、DAZNもうやめてほしい」「テレビ放送なしとかDAZNとか本当に萎える」「DAZNが地上波放送を妨害している」といった声が。北朝鮮戦は対象外であるにも関わらず、DAZNによる一部試合の独占配信に対する批判が湧き起っている。
平壌開催の日本戦に関しては、日本政府や国連が北朝鮮に経済制裁を科していることを理由に、日本サッカー協会(JFA)が北朝鮮側に放映権料を支払わない可能性が高い。くわえてDAZNがW杯アジア2次予選の放映権を持っていないため、アジアカップ開催時とは事情が異なるが、それでもDAZN参入による“代表人気低下”を危惧するファン・サポーターは多いようだ。