テレビ朝日系『報道ステーション』の元MCであるフリーアナウンサーの古舘伊知郎氏が18日、自身のYouTubeチャンネルを更新。北朝鮮の弾道ミサイル発射、13年ぶりとなる日本代表対北朝鮮代表の平壌開催(北中米W杯アジア2次予選)に言及するとともに、日本サッカー協会(JFA)の対応に苦言を呈した。
古舘氏は「W杯2次予選の話をしたいんです。今日、月曜日にこうして喋りますけど、北朝鮮から弾道ミサイル3発が日本海にまた打たれたと」と、北朝鮮のミサイル問題に触れた上で「W杯2次予選が平壌で、日本戦があるということも意識してやっているのかと思ってしまう」と語気を強める。
平壌開催については、日本サッカー協会(JFA)が今月11日に「金日成競技場での開催が正式決定した」と公式発表。JFAの山本昌邦ナショナルチームダイレクターは、14日の代表メンバー発表会見で「サッカー協会の中で担当者がしっかりとコミュニケーションを取って、決まった事実。我々はそれに従うことになる」と、平壌開催に至るまでの背景を簡潔に述べていた。
しかし、古舘氏は「JFAはアジアサッカー連盟(AFC)に対して、アウェイ戦は中立国でやるように、もっとしっかり働きかけるべきだった」と、中立開催への本気度があったかという観点で、JFAの対応を疑問視。
北朝鮮の対韓政策、対日政策に言及した上で「北朝鮮はスポーツイベントを機に、アメリカ、日本、韓国の連携を分断して、相手にしてくれそうな拉致の問題をはんでいる日本にすり寄っている」と述べると、「よく政治をスポーツに持ち込むなというようなこと言いますけど、政治はスポーツを徹底利用してきた歴史がありますよね」と、北朝鮮による日本戦の政治利用を警戒した。
くわえて古舘氏は、今年6月に控えるミャンマー代表とのアウェイゲームにむけて、JFAに提言。ミャンマー国軍が、軍事政権打倒を掲げる民族の武装集団グループとの内戦で劣勢に立たされている現状を紹介した上で、「ミャンマーは下手したら分裂国家になるかもしれませんよ」と警告。
「国軍は辛うじて都市部を抑えていますけど、ヤンゴン開催というのは何としても避けるように、JFAはAFCに働きかけてほしいところです。ヤンゴン開催なら不戦敗で良いと、そのくらいの気持ちで開き直るように見たいかなというところもあります」と、アウェイゲーム放棄も選択肢のひとつだと主張している。
国立開催の日本対北朝鮮を3日後に控える中、日本海にむけて弾道ミサイルを発射した北朝鮮。ネット上で「北朝鮮はもうW杯予選に参加しなくていい」「26日のアウェーの北朝鮮との試合は中止で」「平壌で試合やるよりも、国民の命が大事」といった声が挙がるなど、平壌開催への関心度は高まるばかりだ。