キャッシュレス決済による決済額が年間100兆円を超えた。キャッシュレス決済に対応した店舗が増えていることなどが、決済額の増加に寄与している。最近では「現金お断り」の店も目にするようになってきた。こうした流れはさらに加速していきそうだ。

年々高まるキャッシュレス決済比率

経済産業省の最新のまとめによれば、キャッシュレス決済比率は2022年に36.0%に達した。年を追うごとにこの比率は高まっている。特にクレジットカード決済の比率が高く、全体の8割以上がクレカ決済だ。

キャッシュレス決済は消費者にとって便利なものだが、店舗にとっても導入メリットは大きい。現金を扱わなくてよいことから売上の管理が容易になり、売上をいちいち銀行に預金しに行く手間も省ける。

ちなみに京都新聞によると、海外からの訪日客が多い観光地では、キャッシュレス決済の導入比率が80%以上となっているケースもある。

外国人にとっては日本の貨幣での支払いよりもキャッシュレス決済の方が手軽なため、観光地の店舗ではインバウンド需要のために、積極的にキャッシュレス決済が導入されている。

「現金お断り」の店が徐々に登場

こうした状況の中、冒頭でも触れたように、キャッシュレス決済でしか買い物をしたりサービスを受けたりできない「現金お断り」の店が徐々に増え始めているようだ。

新型コロナウイルスの感染拡大も、この流れに拍車をかけたと考えられている。現金を扱う場合と扱わない場合では、現金を扱わない場合の方が店員と客の接触機会が減る。キャッシュレス決済は感染防止に一役買う。

もちろん、「現金お断り」で店舗を営業することにはリスクもある。現金しか持っていない人はその店舗を利用できないことから、客が減る可能性がある。

しかし、売上の管理が楽になることで人件費の削減につながるなど、店舗側にメリットをもたらすことは特筆すべき点だ。