良質なメーカーを見分けるコツ

カビ発生の責任が必ずしもメーカー側にあるとはいえないだろう。しかし、メーカーのなかには悪質な業者もおり、今回のカビ物件のようなトラブルも珍しくはないという。

「悪質な業者の特徴として、図面を渡してくれない、見積もりが出ていないのに契約を促す、自宅に押しかけて無理な勧誘を行ってくるなど、コンプライアンスに抵触しかねないような行動が目立ちます。これはメーカーの経営方針が大きな原因だと考えられます。たとえば、売上だけを重視する経営で現場に負担をかけすぎてしまっているようなメーカーは、当然現場でのミスを誘発しやすくなるでしょう。

そもそも建築業界では人材不足が深刻化しているので、営業が現場のキャパ以上の無理な注文を受注してしまうことは、現場の混乱を招きかねません。結果、無理なスケジュールが仇となり、注文住宅でもカビが発生してしまうことは想像できます」(同)

マイホームを建てるということは安い買い物ではないので、メーカーを決める際には自分自身で責任を持つべき。しかし、第一印象や契約書の段階でメーカーの良し悪しを決めるのはかなり難しいだろうし、そもそもマイホームを建てる人のほとんどが初心者だ。はじめての注文住宅は難しいということを踏まえ、メーカー選びで失敗しないためにはどのような点に注意すべきなのか。

「工事品質が安定している施工会社は、年度内で建築する棟数を決めていることがあり、無理なスケジュールで施工しません。安全な現場でスムーズに建築してくれるかと思いますので、気になる方は年間スケジュールを聞いてみてもいいでしょう。

そして、住宅選びで何より重要なこととして、メーカー側の担当者と密にコミュニケーションをとること。どんな家にしたいのか、どんな施工をしてほしいのかなど、きちんと担当者に要望を伝え、実現可能なのか、もしくは厳しいのかはっきりと答えてくれるメーカーが信頼できますし、望ましいでしょうね。怪しいメーカーだと、回答があやふやになることもあるので、そんなときは断る勇気も大事です。

しかし、注文住宅は知識のない状態で依頼することが多いのも事実。何が正解かわからない依頼主が大半でしょうから、わからないことがあれば第三者の立場にある建築士などの専門家に聞くことをおすすめします。それと同時に、自分でも最低限の知識を学んだうえで調査して、少しずつ建築に関する疑問を解消していけば、良い家づくりができるのではないでしょうか」(同)

(取材・文=文月/A4studio)

提供元・Business Journal

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