海水浴をしていた若者が岩場で転び、フジツボで膝を切ってしまった。傷が浅かったため放置していたら、数カ月後、膝が激しく痛んできた。そこで病院へ行って検査を受けたところ、膝の皿にフジツボがびっしり貼り付いていることが判明した――。これは有名な都市伝説である。一般的に“嘘”と考えられる話だが、似たような出来事は実際に起こっている。

 ロシアでコンピュータープログラミングの事業を営むセルゲイ・カザコフ容疑者(35)は、血のつながっていない8歳の息子を、敷き詰めた“そばの実”の上に9時間ひざまずかせた。少年の母親であるアリナ・ユマシュエバ容疑者(27)は夫による虐待を傍観していたという。少年は助けを求めて隣家へ逃げ込み、膝のけがを見た隣人が通報したことで虐待が発覚した。

 少年は救出されたが、彼は入院しなければならなかった。というのも、少年の膝の皮膚でそばの根が成長し始めており、これらの根を除去するには、全身麻酔を使う外科手術が必要だったからだ。「The Sun」で公開された画像には、そばの実がびっしり貼り付いた、血の滲む膝が写っている。また、法執行機関によって回収された映像では、カザコフ容疑者が少年の髪を引っ張ったり、蹴りを入れたりしている様子も確認できる。そばの実の上に膝立ちした少年は、カザコフ容疑者に蹴られて「痛い」と訴える。

 夫婦はインターネットでそばの実を使った“罰”を見つけ、外で遊んでいたために学校からの帰宅が遅くなった少年に早速実行してみたという。入院先では少年の深刻な栄養失調が明らかとなり、夫婦は最大で4日間にもわたって少年を飢えさせたことも発覚した。カザコフ容疑者は、少年に対する一連の”拷問”を日記に記録していたのだ。

 夫カザコフ容疑者は拘留され、ユマシュエバ容疑者は捜査のため家を出ることを禁じられた。少年は病院で1カ月を過ごした後、母親のいる家に戻った。一方で、少年は入院中、「素敵な家族のもとで暮らしたい」と看護師に嘆願していたという。

 少年の担任教師であるオルガ・ピジャコワ氏は次のように証言している。

「彼は素敵で前向きな子供です。彼のお母さんは、保護者ミーティングにいつも出席していますし、電話をすれば(学校に)来ます。彼はいつも清潔で、服装もきちんとしています。私も、他の教師や子供たちも、彼が家で虐待されていることに気づいていませんでした。彼が苦しみを訴えるのを恐れていただけだと今は理解しています」

 膝の皮膚でそばの根が成長するという、「膝からフジツボ」さながらの出来事の背景には児童虐待があった。都市伝説よりも恐ろしい事実である。そんな苦しみに耐えてきた少年がこれから幸せになることを願いたい。

(文=標葉実則)

※無修正の画像は「The Sun」にてご覧いただけます。

参考:「The Sun」、ほか

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提供元・TOCANA

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