ドラグは緩めの設定
ここで原田さんにブレードジギングの注意点について聞いてみると、真っ先にドラグ設定を挙げてくれた。ドラグはヒットした瞬間、ジリッと鳴くぐらいの設定が理想だそうだ。かなり速巻きしているため、ドラグが固いままだとヒットした瞬間に口切れしてしまうこともあるためだ。
やり取りしているときも、常にドラグがジリジリ滑るぐらいに設定している。サワラクラスになると、水面近くまで浮いてきても2~3度突っ込むことが多い。この突っ込みに対処するためにも、ドラグは緩めがお勧めだそうだ。
またジグにフロントフックは付けない。テールにトリプルフックかシングルフック1本のセッティングが基本。そのためフッキングミスやファイト中のバラシ、抜き上げ時のポロリも多い。原田さんのお勧めはシングルフック1本。しっかり掛かれば、バレにくいとのことだ。
終盤にはサワラも登場
それでもバラシは多発するが、気にならないほどヒットが続く。ここで船長が「波がマシになったからもうちょい沖に出てみようか」と言う。大島半島の少し先まで船を走らせ、再び湾口に向けて流し始める。水深は20~30mだが、湾内に入っていくにつれどんどん浅くなっていく。
ここで坂根さんに良型がヒット。水面に姿を見せたのは、明らかなサワラサイズだ。何度か突っ込まれたが、無事にネットイン。70cmを超えるサワラに大満足の様子だった。さらに続けて同サイズのサワラを2連発。スピニングタックルの、鬼速巻きで見事な連続ヒットだった。
サゴシの中からサワラを選んで釣るのはまず無理だが、強いていえば速く巻けば巻くほど良型の確率が上がるような気がする…と原田さん。どれだけ速く巻けるかがキモになる場面も十分にありそうだ。
可能性は無限大
結局2人でサゴシ、サゴラ、サワラ合わせて50匹以上、リリース多数という結果となった。ちなみにロストしたジグは坂根さんの1個だけ。速巻きのブレードジギングが、いかにカッター防止に有効かよく分かった釣行だった。
また終盤波が落ち着いたタイミングで、根周りを攻めて原田さんがヒラマサをキャッチ。ブレードジギングはサワラだけでなく、青物にも効くようだ。青物を狙う場合、時折ストップを入れてやるのが有効だ。
またマダイやシーバス、根魚にも効くという話もあり、ブレードジギングの可能性はこれからまだまだ広がりそうだ。
今回は水深30mまでの浅場がメインだったが、50mより深い場所が舞台になることもある。そんなときは100gより重いジグが必要になる。市販されているジグは重くても80gまでなので、通常使っているジグにブレードを付けてもいい。ブレードは丸型と楕円型があるが、今のところどちらがいいとも言えない。
ブレード単体では販売されているので、通常のジグをチューンナップしてもいいだろう。
オフショアジギングの新たなカテゴリーとして確立しつつあるブレードジギング、ぜひ一度試してみてほしい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>