今月16日に明治安田J1リーグ第4節の北海道コンサドーレ札幌対町田ゼルビアが開催される札幌ドーム。プロ野球・北海道日本ハムファイターズのエスコンフィールド北海道(北広島市)移転に伴う巨額赤字、収支計画に関する見通しの甘さが指摘される中、札幌市議会議員の成田祐樹氏が命名権(ネーミングライツ)売却をはじめ、収支改善策を提示している。
これまでプロ野球公式戦開催による使用料金や興行時の売り上げを主な収入源としていた札幌ドーム。しかし日本ハムの本拠地移転により、年間3億円規模の赤字が見込まれていた。
また札幌市と道内財界各社が第三セクター方式で出資する『株式会社札幌ドーム』は赤字補填を目的に、今年1月9日から2度目となる命名権の公募を実施。しかし年間2億5000万円以上で2~4年間という強気の条件設定もあり、公募期限の2月29日17時までに正式な申し込みはゼロ。今月はじめに公募期間の延長を公式発表していた。
一部報道によると、札幌市は今月14日、当初の試算より赤字幅が拡大する見込みであることを明らかにしたとのこと。減収対策として10億円を投入して2万人規模のコンサート開催が可能な「新モード」も不発に終わるなど、収支改善への見通しが甘いと言わざるを得ないだけに、ネット上では「札幌市の怠慢」「ツケ払わされるのは結局のところ札幌市民」といった批判が湧き起こっている。
赤字の補填策が議論の対象となる中、成田議員は14日にX(旧ツイッター)を更新。株式会社札幌ドームの貸借対照表と損益計算書をアップした上で、「現在の稼働状況だと予定のマイナス3億円より下方修正して4億円前後かなと。資金残があるので税投入はしばらく無いです」と説明。
「ドーム社は単なる管理会社で大きな固定費は人件費。イベントが減った分だけ人も減らせるので、退職補充せず緩やかに経費は減る予定です」と、人件費の減少を強調している。
その上で同議員は、収支改善策として「稼働日数が15日位増える(プラス1.5億円)」「ネーミングライツが売れる(プラス1.5億円)」「退職不補充で職員が20人減る(プラス1億円)」と試算。4億円近くと試算される赤字の回収が可能と主張した。
今後数年間での黒字化を見込んでいると言われている札幌ドーム。税金投入の可能性がしばらくないとはいえ、成田議員が提示したような収支改善策が実現可能なものであるか、札幌市民の間で議論の対象となりそうだ。