FC岐阜クラブアンバサダーの柏木陽介氏が、鹿島アントラーズOB内田篤人氏との対談で浦和時代を回顧。規律違反への直接的な言及こそ避けたものの、当時の心理状態を語っている。
柏木氏は2010シーズンからおよそ10年間にわたり浦和でプレー。2017年のAFCチャンピオンズリーグなど、複数のタイトル獲得に貢献した。しかし2021年2月のトレーニングキャンプ中に、FW杉本健勇(現大宮アルディージャ)とともに外食。新型コロナ対策として、クラブの内部規定ではキャンプ中に近隣のコンビニエンスストア以外への外出や外食が禁止されていた。
これにくわえて、複数回にわたる規律違反行為が確認されると、浦和は柏木のトレーニング参加見合わせを公式発表。リカルド・ロドリゲス監督の構想から外れると、翌月に岐阜へ完全移籍した。
インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月7日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』第173回にゲスト出演した柏木氏は、大槻毅監督が就任した2018年以降について「怪我から復帰したけど、なかなか嚙み合わないみたいな時期があって。そこで視野もどんどん狭くなるし、試合に出られないことが今まで無かった分、余計にストレスが溜まって。良くないこともあった。この2年くらいは本当にダメだったなと思うし、色々な人に迷惑をかけたなと思う」と振り返っている。
また内田氏から「浦和サポーターの厳しさによるプレッシャー」について訊かれると、「そこを経験しているから、ひと回り大きくなれた。最後の方は『浦和で終わりたい』みたいな(感情があった)。長くなればなるほど愛着が湧いちゃって。でも逆に視野が狭くなって…、なんか両方あって。それで岐阜へ行って、もっと視野が広がった。色々なことに向き合いながら、自分がどうあるべきかを見つけていくという。色々な波があったサッカー人生かなと思う」と、神妙な面持ちで語った。
なお、柏木氏は浦和時代の規律違反に関して、昨年末にYouTubeで公開された浦和OB鈴木啓太氏と対談企画で以下のようなコメントを残している。
「キャンプ中に本当に(外に)出なかったんですけど、やっぱり飲食店が困っているということで、一応お金を落としてあげられるぐらい気持ちだけ行こうかという話になって、ご飯に行ったという感じですね」
「今でも『なんで行ったんだろう』とは思いますけど、本当にチームの決まり事を破っちゃいけないんだなというところと、たくさんの人に迷惑をかけたということはあるので、そこに対しては自分の甘さだったし、本当に申し訳ないなと。ただ自分の生き方としては自分らしかったんじゃないかというところの、今だからこのように思えますね。何だろう、バランスはすごく難しいんですけど。あれが無かったら、自分的にはもっと視野が狭くなっていた人生を送っていたと、今となっては思えるので」
「浦和を離れなきゃ、今の視野が広がった自分には出会えなかったと思えるので。何だろう、この伝え方はすごく難しいんですけど、たくさんの人に迷惑をかけたし、ひとりのサッカー選手、チーム団体のひとりとして、沢山のスポンサーさんがいる中のひとりとしては、あるまじき行為だったと感じています」