鎌田大地 写真:Getty Images

 北中米W杯アジア2次予選・北朝鮮戦の日本代表メンバーから落選したMF鎌田大地(ラツィオ)が、マウリツィオ・サッリ監督辞任でチームが揺れる中、現地メディアの批判に反論。日本代表OBの内田篤人氏や柏木陽介氏も、同選手の姿勢に賛同した一方、移籍の可能性にも言及。代表招集への影響も心配している。

 昨季までアイントラハト・フランクフルトで活躍していた鎌田だが、昨年夏のラツィオ移籍後は出場機会が減少。今年1月のAFCアジアカップで代表メンバーから落選したほか、現地では「クラブに今季限りでの退団を申し出た」と報じられている。

 そんな鎌田は、今月12日開催のセリエA第28節ウディネーゼ戦で途中出場。シュートを放つなど攻撃面で存在感を発揮したが、チームは1-2で敗北。試合後、サッリ監督が辞任すると、イタリアメディア『Minuti Di Recupero』は「鎌田の獲得は、ラツィオの補強プランの欠陥」と指摘している。

 鎌田の現状は、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月7日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』第173回でも話題に。野村明弘アナウンサーによると、選手本人は一部メディアを通じて、以下のように逆批判を展開したという。

 「そもそも試合が終わるたびに『毎試合チャンスを作れていない。ゴールを奪えていない』というニュアンスで見られることが、まずおかしい。ラツィオではインサイドハーフを任せられているし、他の選手もゴールを奪えていない。そもそもゴールを取るという役割ではない。自分としては、チームとしての役割をしっかりやっている。ゴールを奪えていない、ゴールに絡めていないという見方だけに特化されるのはいかがなものか」

 このコメントに対して、内田氏は「それをパッと言えるメンタルの強さが凄い。普通、そういうことを言うと、周りから色々な反応がある。そこを気にせずに言える強さは大事だと思うので、そのままやっていって良いと思う」と唸ると、柏木氏も「そういう部分のメンタルが凄いなと思う」と同調している。

 一方で内田氏は「移籍する、しないは本人が決めること」としつつも、「試合に出ないと代表に呼ばれにくくなる。そこが寂しいなと僕は思う」と、日本代表選外に対する本音を吐露。柏木氏は「今の日本代表にはいないタイプ。タメができる、起点になれる選手かなと思うので、代表で見たい」と、鎌田の代表復帰待望論を唱えた。