アンドレス・イニエスタ 写真:Getty Images

 かつてバルセロナでプレーしていた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、昨年夏にヴィッセル神戸からAE1部エミレーツ・クラブに在籍。チームがリーグ最下位に沈み、DF大﨑玲央の電撃退団などで揺れているだけに、現所属クラブに対する不満を隠せないようだ。

 イニエスタは2018シーズン途中から5年間にわたり神戸でプレー。2019シーズンに天皇杯優勝を成し遂げるなど、キャプテンとしてチームをけん引していた。しかし2022年夏以降は、ハードワークを求める吉田孝行監督の戦術にフィットできず。出場機会を求めて、昨年夏にエミレーツ・クラブへ加入している。

 新天地でもキャプテンを任せられているイニエスタだが、チームは最下位に低迷。2023/24シーズン開幕からしばらくスタメン出場が続いていたものの、昨年12月にリュイス・プラナグマ監督(元FC今治監督、元神戸コーチ)が辞任すると、その後は出場機会が限られている。

 序列低下が顕著である中、イニエスタは米メディア『ESPN』のインタビューで「『エミレーツ・クラブで楽しんでいるか?』と訊かれたら、『ノー』と答えるだろう」と本音を吐露。「エミレーツ・クラブの現状を良い方向に変えたいというモチベーションはあるけど、勝てていないから楽しめないね」と不満を覗かせている。

 また同選手は「現役引退という考えに慣れ始めている」と、近いうちにスパイクを脱ぐ可能性も示唆。それでも「厳しい状況でも仕事をして、チームメイトやクラブを助けて、何か違うことを学ぶんだ。彼らがより良いチームになれるようにしたいという目標はまだある。このクラブでの経験は、将来何らかの形で役に立つかもしれないよ」と、エミレーツ・クラブでベストを尽くす姿勢を強調した。

 なお、イニエスタとエミレーツ・クラブの契約は今年6月まで。選手本人は指導者ライセンス取得へ意欲を覗かせているほか、スポーツディレクターなどクラブ幹部の仕事にも関心を寄せているという。エミレーツ・クラブの2部降格が現実味を帯びる中、契約延長、他クラブ移籍、現役引退の可能性に注目が集まる。