先の見えないVUCA(Volatility=変化、Uncertain=不確実、Complexity=複雑、Ambiguity=曖昧)時代と呼ばれる昨今、「自ら『夢』や『目標』を掲げ、しっかりと『計画』を立てて、実現に向けて行動し続ける」ということがだんだんと難しくなってきています。強い意志をもっていても、社会が目まぐるしく変化するのを目の当たりにすると、想定外のことが起こった際に心が折れやすく、つい楽な方向へと流れてしまうからです。そこで、本連載では前編で「夢や目標を可視化するビジョンボード」、後編で「仮説思考を活用したビジョンボードの作り方」について解説し、ビジョンボードから「力をもらう」ことで、先行き不安な現代において目標の実現に向けて行動し続けるメンタルを保つ方法について紹介します。

目標達成に向けた最適解 ビジョンボードと仮説思考で夢を現実化する【前編】
(画像=『BCN+R』より 引用)

ビジョンボードとは?

 ビジョンボードとは、自分が叶えたい夢や願望、実現したい目標をイラストや写真を多数使って一つのボードにまとめたものです。叶えたい夢を可視化して、目につくところに置いて日々眺めることで、潜在意識レベルでその方向性に向けて前進できるようになり、自然に夢が叶っていくといわれている海外で人気の自己実現ツールです。

 近年、日本でもビジョンボードづくりの人気が高まっており、個人だけでなく企業でもキャリア教育や人材育成における有効な手法として取り入れるようになってきました。

ビジョンボードの脳科学的効果

 ビジョンボードについてはスピリチュアル系の書籍でよく紹介されますが、実はその効果は脳科学的にも証明されています。脳の機能の一つに、“RAS(Reticular Activating System)”というものがあり、脳に入ってくる情報のほとんど全てを選別して中継する役割を果たしています。これによって、人間は自分の興味のあることに目がいきやすくなるという習性を持っています。

 ビジョンボードを見えるところに置いておくことで「自分はこれに興味がある」と、脳にはっきりと覚えてもらいやすくなります。すると脳は無意識にビジョンボードに関する情報を集めようと働いてくれ、結果的に自身の行動が変わり、夢の実現に近づいていくのです。

目標達成に向けた最適解 ビジョンボードと仮説思考で夢を現実化する【前編】
(画像=『BCN+R』より 引用)